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論述
上位頸椎損傷について—とくに軸椎外傷性辷り症を中心にして
著者: 小林慶二1 津布久雅男1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.25 - P.34
文献購入ページに移動頸椎損傷中,上位頸椎損傷の発生頻度は諸家の統計では,ほぼ10%内外1〜3)である.なかんづく軸椎歯突起骨折がもつとも多く,ついで環軸関節亜脱臼,環椎骨折,軸椎関節突起間骨折(軸椎外傷性辷り症)と続く.われわれは軸椎歯突起骨折についてはすでに14例を集計し報告した34).今回は近時交通外傷の増加とともに欧米にて注目されてきた軸椎の外傷性辷り症型の骨折を中心に,本損傷としばしば合併し,あるいは同様受傷機転にて発生すると思われる環椎後弓骨折,軸椎椎体前下縁骨折の8例を,その受傷機転,発生機序を中心にして考察を加えて報告する.
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