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臨床経験
縫工筋短縮症の1例
著者: 山室隆夫1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科
ページ範囲:P.989 - P.994
文献購入ページに移動一般に大腿四頭筋短縮症と呼ばれている疾患は先天性および後天性の原因により大腿四頭筋が拘縮に陥り,そのために股関節および膝関節の関連運動に障害をきたす状態である.しかし,Hnevkovský4),Fairbank and Barret1),Gammie et al2),Karlen7),河野9)らの報告している症例では病変が中間広筋に限局しているためにVastus intermedius contracture or fibrosisと呼ばれ,その症状は膝関節単独の屈曲障害のみである.これに反して,笠井6),木下8)をはじめ多くの人々によつて報告された症例では大腿の前面に注射を受けたことが一つの原因となっていると思われるものが多く,病変は主として大腿直筋にみられると共に股関節および膝関節の関連運動が障害されているので大腿直筋短縮症と呼ばれている.
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