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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科5巻6号

1970年06月発行

文献概要

視座

大腿骨頸部内側骨折

著者: 伊藤鉄夫1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.423 - P.423

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 大腿骨頸部内側骨折は人類が長寿になるに従つて多発するようになるが,この骨折には未解決の問題が多い.この骨折では骨頭の血流が遮断されて早期に壊死に陥るのであるが,幸に血流の一部が残存していると,この部から周辺の壊死骨に血流が回復し壊死骨の置換が起こる.骨折の正確な整復と強固な固定が行なわれると,骨折部からも血管が侵入して壊死骨を置換する.骨頭の壊死骨置換が完成するには少なくとも2年を要するといわれている.しかも体重負荷部の置換がもつともおくれる.片脚起立時に骨頭に体重の2倍以上の荷重が加わる.したがつて,置換が行なわれていない体重負荷部にしばしばcollapseが起こる.一般にこれをlate segmental necrosisと呼んでいるが,late segmental collapseと呼ぶのが正しい.壊死は受傷後早期に起こつているのであつて2年後に起こるのではない(Barnes).
 Lintonは大腿骨頸部骨折の転位について研究し,骨折線は常に一定しており,骨折後の転位の程度によつてレ線上の像が種々に変化すると主張した(J.B.J.s.,31-B:184, 1949).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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