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整形外科領域における血管外科—一般整形外科医のために
著者: 玉井進1
所属機関: 1奈良医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.579 - P.587
文献購入ページに移動近代産業の発達は種々の血管損傷を伴う四肢外傷を招来して,しばしば生命の危険,あるいは四肢の壊死をきたす場合があり,これらの外傷治療にあたる整形外科医にとつて,いまや血管外科技術は必須のものとなつている.しかるに,一般には血管外科は特殊な専門家の手にゆだねられがちで,専門家に恵まれない病院では,仕方なく消極的な処置に終つてしまう場合が多い現状である.
Carrel(1902)1)にはじまつた血管外科は,過去10年間に飛躍的な進歩をとげ,Jacobson(1960)2)のmicro-vascular surgeryは,外径1mm前後の血管吻合をも可能とし,その応用範囲は一段と拡大されてきた.
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