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検査法
骨・軟骨の病理組織学的観察法(IV)—電顕レベルの一般的方法
著者: 三友善夫1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.598 - P.611
文献購入ページに移動日常,骨・軟骨の病変の病理組織学的検索において,原則的には一般的光顕の観察で十分であるが,病変初期,非定型的症例,境界病変の材料に対する病理学的診断は観察者の主観性に左右されやすく,over diagnosisないしlesser diagnosisと評価される結果となり,治療への影響も少なくない.病変の性状をより客観性をもつて把握するために一般的光顕法に加えて組織化学,酵素組織化学的方法,微生物学的方法,螢光顕微鏡,偏光顕微鏡,位相差顕微鏡,電子顕微鏡,さらにAutoradiography,Radiomicrography,発光〜レ線Spectrum法まで用いられる.これらの検索法にはその適応と選択に制限があつて病変の種類によつては極めて有効であるが,必ずしもすべての病変にすぐれた結果を得るわけではない.ここで述べる電子顕微鏡による検索法もVirus particleを検出したり,細胞質内細線維,糖原顆粒,粗面小胞体の特徴を把え,病変の性状を認識できるが,骨・軟骨の手術材料や生検材料の応用にはあまり直接的でない.
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