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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科5巻8号

1970年08月発行

臨床経験

肩甲背神経の刺激とそのEntrapment neuropathyについて

著者: 山本龍二1 小島伸介 片山雅宏

所属機関: 1東急病院整形外科

ページ範囲:P.631 - P.635

文献概要

はじめに
 頸の痛み・肩こり・上肢の疼痛・しびれ感を訴えて外来を訪れる患者は多い.われわれはこれらの患者を頸髄自身に異常のあるもの,またいわゆるcervical syndromeやscalenus syndromeなどとして,それぞれの治療を行なつている.また頸部の外傷によるものを頸部捻挫または鞭打ち損傷として治療しているが,これらは自覚症状が多いにもかかわらず他覚症状が少なく,また不明確なことが多いから,その予後判定が難かしい.したがつて,その治療法もむずかしく,以前は定説がなかつた.しかし最近になつて,各方面の研究がすすみ,その本態はまだ十分に解明されていないとはいうものの,一定の方針にしたがつて治療を行なうと,多くの症例は治癒傾向をとることが明らかになつている.しかし単純な頸椎捻挫型以外の症例ではまだまだ難治例が多く,その治療法の研究は今後に残された課題である.
 われわれは上記の頸の痛み・肩こり・上肢の疼痛・しびれ感などの症状は多くのばあい,なんらかの原因によつて起こつた頸神経の刺激状態ではあるまいかと考えた.また疼痛・放散痛・知覚の変化・筋肉の萎縮などの症状は,その結果起こるものと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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