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臨床経験
多発性神経鞘腫の1剖検例
著者: 詫摩博信1 西川英樹1 落合勲1 浅野伍朗2
所属機関: 1日本医科大学整形外科学教室 2日本医科大学病理学教室
ページ範囲:P.646 - P.652
文献購入ページに移動脊髄腫瘍の報告は毎年増加の一途をたどり,ことに神経鞘腫についての報告は非常に多数にのぼり,決して珍しいものではないが,多発性神経鞘腫の報告例は最近10年間ではみられない.最近われわれは頸髄部の腫瘍摘出手術により神経鞘腫と診断されて以来,10年の経過をたどり,その間に可能な限りの治療を数ヵ所の大病院で受けたにもかかわらず死亡し,その剖検により神経鞘腫が,脊髄の上部より馬尾に至るまでほぼ全域にわたつて,おびただしく発生しているとともに,小脳橋角部と左右の聴神経にもほぼ対称性に発生をみた症例を経験したので報告する.
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