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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻1号

2015年01月発行

文献概要

論述

頚椎棘突起とそれに付着する筋群を温存した黒川式棘突起縦割椎弓形成術の軸性疼痛

著者: 大科将人1 山田高嗣1 梅山剛成1 下出真法1 北見聡史2 倉茂聡徳2

所属機関: 1NTT東日本関東病院整形外科・脊椎脊髄病センター 2水戸赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.5 - P.9

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 頚椎椎弓形成術後の軸性疼痛の発生率を低下させる目的で,深部筋群を棘突起に付着温存させたまま正中縦割椎弓形成術を11例行い,従来の黒川式棘突起縦割椎弓形成術12例と比較検討した.術後軸性疼痛は本術式では0例,従来式では2例だった.本術式では頚部痛(VAS)が術後1週間以降,有意に低く,術後鎮痛薬の使用期間も短かった.手術時間は平均12分長く,出血量は73mL多かったが,有意差はなかった.手技の簡単な工夫で軸性疼痛の軽減が可能であった.

参考文献

1) 神谷光広,牛田享宏:頸椎手術後の頸部軸性疼痛.軸性疼痛のメカニズムと対処法.整・災外253:31-37,2010
2) 黒川高秀,津山直一,田中弘美・他:棘突起縦割法頸椎脊柱管拡大術.別冊整形外科2:234-239,1982
3) 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,頚椎症性脊髄症ガイドライン策定委員会:頸椎症性脊髄症診療ガイドライン.南江堂,東京,p7,2005
4) 谷戸祥之,白石 建,池上 健・他:頸椎棘突起から多裂筋と頸半棘筋を剝離しない縦割式脊柱管拡大術.脊椎・脊髄神経手術手技5:11-14, 2003
5) 谷戸祥之,白石 建,加藤匡裕・他:頚部脊髄症に対する選択的椎弓形成術.整外最小侵襲術誌48:15-20, 2008
6) Yoshida M, Tamaki T, Kawakami M, et al:Dose reconstruction of posterior ligamentous complex with extensor musculature decrease axial symptoms after cervical laminoplasty? Spine 27:1414-1418, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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