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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻1号

2015年01月発行

文献概要

症例報告

内視鏡視下に摘出し得た急性脊髄硬膜外血腫の1例

著者: 矢渡健一1 河合将紀1 野村和教1 中村陽介1 吉田宗人2

所属機関: 1角谷整形外科病院整形外科 2和歌山県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.63 - P.68

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 患者は62歳の男性で右C6神経根障害が増悪し前医を紹介され初診した.診察待合中に誘因なく急激な後頚部痛と頚椎可動域制限が生じ,安静加療目的で当院に紹介され入院となった.プレドニゾロンの投与で症状は速やかに軽快したが,1週後のMRIではC7レベルの硬膜外右側に限局性血腫が併発していた.保存加療を行うも右C6神経根障害が遺残し,入院後3週でMRIを再検すると血腫が器質化していたため,右C5/6内視鏡下椎間孔拡大術とともにC6/7内視鏡下椎弓切除を行い血腫も摘出した.術後1週で退院となり術後経過も良好で,術後1年の現在も症状の再燃はない.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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