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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻1号

2015年01月発行

文献概要

症例報告

下腿症状を呈する膝窩囊腫破裂例の検討

著者: 赤羽努1 森直哉1 吉田和薫1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構信州上田医療センター整形外科

ページ範囲:P.69 - P.72

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 膝窩囊腫(Baker囊腫)の破裂例の臨床上の特徴を見つけるべく,囊腫非破裂例との臨床・画像所見を比較検討した.破裂例3例と非破裂例23例の比較では,鑑別に有意な特徴点は見出せなかった.破裂例では,滑液が下腿屈筋間に沿って下降し,腫脹・腫瘤などの下腿症状を呈するため,深部静脈血栓症や蜂窩織炎といった下腿病変との鑑別のほうが重要と言える.急性発症・慢性発症いずれも起こりうるが,整形外科診療では後者の症例に対応する可能性が高く,鑑別に際しては囊腫破裂例を想起する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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