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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻1号

2015年01月発行

文献概要

症例報告

滑車上肘筋を伴った尺骨神経障害を発症したスポーツ選手の2例

著者: 猪狩貴弘1 菊地臣一1 大歳憲一1 江尻荘一1 紺野愼一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.85 - P.89

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 症例1は,バスケットボール部所属の17歳,男性である.内反肘変形による遅発性尺骨神経麻痺の診断で手術を施行した.滑車上肘筋の深層筋膜が尺骨神経を圧迫していた.滑車上肘筋を切除後,神経剝離と内側上顆部分切除を行い,術後6カ月で症状は消失した.症例2は,体操部所属の17歳,男性である.術前MRIで内側上顆近位部に滑車上肘筋が確認され,同部位での尺骨神経障害の診断で手術を行った.発達した滑車上肘筋を認め,その近位にStruthers' arcadeが存在していた.滑車上肘筋とStruthers' arcadeを切除し,尺骨神経を剝離した.術後3カ月で症状は消失した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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