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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻11号

2015年11月発行

文献概要

視座

エビデンス

著者: 田辺秀樹1

所属機関: 1整秀会田辺整形外科医院

ページ範囲:P.1045 - P.1045

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 EBM(evidence-based medicine)は1992年,Gordon Guyattにより命名され,現在の医学の進歩に欠かせない考え方になっている.よく例えで使われるのが,アメリカ合衆国初代大統領だったジョージ・ワシントンが権威者の判断で瀉血を行い死亡した,だから権威者の意見ではなくしっかりとした客観的な研究結果をみて治療する必要があるということである.そして,研究にもエビデンスのレベルが付けられていて,症例報告や専門家個人の意見などはエビデンスレベルが低く,ランダム化比較試験のエビデンスは高く評価されている.

 近年,整形外科分野でもたくさんのガイドラインが出版されている.ガイドラインの中に推奨度が記載され,推奨度の高いものはエビデンスの高い研究結果が採用されている.しかし逆に言うと,ランダム化比較試験などの研究がなされていない治療法は,あまり評価されない傾向にある.昔から慣習的に行われている治療で,それなりの成果は出ているにもかかわらず,推奨度Grade Iとして根拠がないとされてしまう場合もある.これはなかなか由々しき問題であり,治療の正当性が証明できない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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