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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻12号

2015年12月発行

文献概要

特集 世界にインパクトを与えた日本の整形外科

Interference Screw(Kurosaka Screw)の開発

著者: 黒坂昌弘1

所属機関: 1神戸大学大学院整形外科学

ページ範囲:P.1166 - P.1167

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開発当時の状況

 1980年代の初頭は,膝前十字靱帯の再建術の科学的な解明が大きく進歩した時代であり,移植腱の強度に関してもさまざまな報告が発表されていた.当時の大勢を支えていた報告は,移植腱の強度に関しては膝蓋腱が最も強く,他の自家移植腱の強度を上回っているという内容であった.したがって,移植腱としては膝蓋腱が最適であり,他の移植腱を上回る成績が期待できるという内容の講演がほとんどであった.

 当時,筆者は米国Cleveland Clinicに留学していたが,この論調にはどうしても納得できない気持ちでいた.前十字靱帯の移植直後の強さは,移植腱の強さではなく,移植腱の固定部位で決定されるのではないか,という疑問である.あらゆる教育研修に出かけて,講師の先生に直接質問しても,“Patellar tendon is strong, so there should be no problem”という回答をいただいた.

参考文献

1) Kurosaka M, Yoshiya S, Andrish JT:A biomechanical comparison of different surgical techniques of graft fixation in anterior cruciate ligament reconstruction. Am J Sports Med 15(3):255-259, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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