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特集 世界にインパクトを与えた日本の整形外科
Interference Screw(Kurosaka Screw)の開発
著者: 黒坂昌弘1
所属機関: 1神戸大学大学院整形外科学
ページ範囲:P.1166 - P.1167
文献購入ページに移動1980年代の初頭は,膝前十字靱帯の再建術の科学的な解明が大きく進歩した時代であり,移植腱の強度に関してもさまざまな報告が発表されていた.当時の大勢を支えていた報告は,移植腱の強度に関しては膝蓋腱が最も強く,他の自家移植腱の強度を上回っているという内容であった.したがって,移植腱としては膝蓋腱が最適であり,他の移植腱を上回る成績が期待できるという内容の講演がほとんどであった.
当時,筆者は米国Cleveland Clinicに留学していたが,この論調にはどうしても納得できない気持ちでいた.前十字靱帯の移植直後の強さは,移植腱の強さではなく,移植腱の固定部位で決定されるのではないか,という疑問である.あらゆる教育研修に出かけて,講師の先生に直接質問しても,“Patellar tendon is strong, so there should be no problem”という回答をいただいた.
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