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連載 整形外科の歴史・10
腫瘍の歴史
著者: 内田淳正1 松峯昭彦1 江原茂2 野島孝之3
所属機関: 1三重大学整形外科 2岩手医科大学放射線科 3金沢医科大学臨床病理学
ページ範囲:P.1223 - P.1227
文献購入ページに移動EA Codman(1869〜1940)は,骨軟部腫瘍での業績はもとより,それ以外でも多くの成果をなした人である.麻酔医,放射線医,消化器外科医,腫瘍整形外科医に加えて,肩関節外科医など実に多彩な才能を発揮した.肩関節ではCodman体操の名が知られているが,骨腫瘍では,骨肉腫のX線診断でCodman triangleを知らない者はいない.軟骨芽細胞腫を最初に報告したのも彼である.病院全体で患者をフォローすることが病院の質を保証することになると最初に提案し,多くの医師の反発に合いながらも,患者登録が治療結果を知る手立てとなり,医療の質の向上に大きく繋がることを訴え続けた.そして1925年に米国で初めて骨腫瘍登録制度を作り上げ,他のどの癌腫よりも早くスタートした1).
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