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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻3号

2015年03月発行

文献概要

症例報告

トシリズマブ使用下で化膿性脊椎炎を発症した関節リウマチの1例

著者: 高松諒1 窪田綾子1 高橋寛1

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科学講座(大森)

ページ範囲:P.279 - P.282

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 関節リウマチ(rheumatoid arthiritis:RA)の薬物治療においてトシリズマブ(tocilizumab:TCZ)の有効性は高い.その一方で,interleukin-6(IL-6)の抑制により感染徴候がマスクされ,感染症診断に遅れを来すことが危惧されている.今回,われわれはTCZ使用により感染徴候がマスクされ,化膿性脊椎炎の診断が遅れたRAの1例を経験した.腰痛という非特異的な症状でも,腰痛診療ガイドラインにあるred flagsに該当する項目を持つ症例は,その背後に重大な疾患がある可能性を考えて精査する必要がある.

参考文献

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2) 日本整形外科学会,日本腰痛学会:腰痛診療ガイドライン2012.南江堂,東京,pp26-27,2012
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6) 吉田 祐:IL-6阻害薬 トシリズマブ.別冊Bio Clinica2:84-89,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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