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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻3号

2015年03月発行

文献概要

症例報告

両側大腿骨頚部骨折を生じた特発性大腿骨頭壊死症の1例

著者: 島貫景都1 堀井健志1 橋本典之1 渡邊孝治1 高田宗知1 高木知治1 安竹秀俊1 加畑多文2

所属機関: 1石川県立中央病院整形外科 2金沢大学附属病院整形外科

ページ範囲:P.283 - P.286

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 両側大腿骨頚部骨折を生じた特発性大腿骨頭壊死症(ION)の1例を経験した.症例は64歳の男性で,同種骨髄移植後の移植片対宿主病(GVHD)に対しステロイドを内服しており,併せてビスフォスフォネート製剤(BP製剤)を投与された.2013年に両側IONを発症し,誘因なく左大腿骨頚部骨折が生じ,4カ月後に右大腿骨頚部骨折を生じた.本骨折はステロイド性骨粗鬆症があり,壊死が広範囲であったこと,さらに力学的弱点である頚部に応力が集中したことが原因であると考えた.骨折後の骨代謝マーカーの上昇がなかったことから,BP製剤による骨代謝回転過剰抑制(SSBT)が骨折の発症に関係していると推測した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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