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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科50巻5号

2015年05月発行

雑誌目次

視座

胸椎腰椎手術—前方回帰のトレンドと落とし穴

著者: 種市洋

ページ範囲:P.397 - P.397

 脊椎外科における前方手術,特に胸椎・腰椎前方手術は周囲を心,肺,肝,腎などの主要臓器や腸管,大血管群に囲まれるという解剖学的特性から,これらの臓器を直接取り扱わない整形外科医にとっては,とかく敬遠されがちである.しかしながら,椎体と椎間板といった「支持組織としての脊柱」の主要部分は前方に存在し,これらの部位に病巣が存在する場合は,手術のターゲットとして避けては通れない部位である.脊椎前方要素はひとたび展開されてしまえば大変になじみ深い構造物となり,何ら抵抗なく手術手技をスムーズに実施できるという経験をされたことのある脊椎外科医は少なくないと思う.いわゆる“access surgeon”に展開を依頼するのはこのためであるが,日常診療ではいちいちこれを行っていては大変に非効率的である.

 たとえば,腰椎固定術の主流は,後側方固定術(PLF)からPLIFやTLIFといった,後方進入による椎間固定術へパラダイムシフトが起こって久しいが,これも荷重分担の大きな前方要素で椎体間固定を行うことが力学的,生物学的にも有利であり,良好な治療成績が得られるというエビデンスに基づいた自然の流れである.しかし,後方経路からの前方手術は硬膜外腔への過剰な手術侵襲は避けられず,出血や神経組織への潜在的リスクが大きな問題である.重度側弯症に対する変形矯正術では,前方からの椎間板切除による前方解離は常套手段であるが,これをPLIFに準じたアプローチで行うことはない.これはPLIFはあくまで椎間板のごく一部分を切除するのみで,椎間解離としての威力が限定的であることによる.

誌上シンポジウム 股関節鏡の現状と可能性

緒言 フリーアクセス

著者: 内田宗志

ページ範囲:P.398 - P.398

 本特集は,「股関節鏡の現状と可能性」という話題で構成されている.わが国で産声をあげた関節鏡は,太平洋を渡り,アメリカ,カナダで手術に応用するまで発展した.膝関節および肩関節に対する関節鏡視下手術が盛んに行われるようになった.さらに現在では,肘関節,股関節,手関節,足関節にまで手術が応用されている.

 股関節鏡においても,直視手術中心の時代から鏡視下手術の時代への,パラダイムシフトという大きなうねりのなかにある.次にあげるようなことが,関節鏡によってもたらされた恩恵と言えよう.

股関節鏡視下手術—歴史的変遷

著者: 山藤崇

ページ範囲:P.399 - P.404

 股関節鏡視下手術は近年,急速に発展してきた手術である.膝関節や肩関節に遅れて発展してきた印象のある股関節鏡視下手術ではあるが,その歴史は古く,1930年代には最初の股関節鏡視下手術が報告されている.最初の報告から30年間の空白を経て徐々に発展し,2003年のfemoroacetabular impingementの概念の確立がブレイクスルーとなり,現在も右肩上がりの発展を続けている.今回,股関節鏡視下手術の歴史的変遷をたどり,文献的報告を中心に股関節鏡視下手術発展の歴史を述べる.

FAIと寛骨臼形成不全の病態と概念

著者: 福島健介 ,   高平尚伸 ,   内山勝文 ,   髙相晶士

ページ範囲:P.405 - P.408

 近年,股関節痛,また変形性股関節症の原因として大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement:FAI)の存在が注目されている.しかしながら,一次性の変形性股関節症が多くを占める欧米諸国に対して,わが国における股関節痛の多くは寛骨臼形成不全に起因することは過去の報告から明らかとなっており,わが国において股関節痛を診療するうえで寛骨臼形成不全の病態把握は不可欠であると言える.本稿では,FAIと寛骨臼形成不全の病態と概念に関して概説する.

FAIの画像診断

著者: 星野裕信

ページ範囲:P.409 - P.413

 FAIの診断における画像評価は,その特徴的な骨形態によりインピンジメントを来す疾患概念であることを踏まえ,臨床症状と合致するかどうかが重要である.画像診断には単純X線所見が最も簡便かつ有用であり,Pincer type,Cam typeそれぞれにいくつかの特徴的な所見があるが,症状を呈さない健常者にもみられることをよく理解する必要がある.また2次元的な評価には限界があり,CTを用いた3次元的な評価や,実際に衝突するかどうかのインピンジメントシミュレーションも診断や治療を計画するうえで有用である.

股関節鏡の基本手技—セーフセットアップ,合併症予防

著者: 齊藤昌愛 ,   内田宗志

ページ範囲:P.415 - P.422

 股関節は人類の関節の中で皮膚表層から最も深い位置にある関節のひとつであり,さらに骨頭を寛骨臼が被覆している形態の特徴がある.そのため元来,関節内鏡視のworking spaceを広げるために,十分な股関節牽引が必要である.広範囲の鏡視が可能な70°斜視鏡を使用する.使用する器具・機械も一般的な膝関節鏡器具では長さが足りない場合があり,股関節鏡専用の器具の使用が推奨される.

 股関節鏡手術は,術式の工夫に伴い,神経障害や皮膚障害などさまざまな合併症が惹起される危険性がある.本稿では,合併症の頻度,それを予防するための股関節鏡視下手術に対するセーフセットアップ,対策について記述する.

FAIに対する股関節鏡視下手術

著者: 望月義人

ページ範囲:P.423 - P.428

 近年,大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)治療において,侵襲の小さい股関節鏡視下手術はゴールデンスタンダードとなりつつある.本稿では,ポータル作製から関節包縫合までの各手技について紹介する.手術は2ポータルで行っているが,症例によってはポータル数を増やしている.関節包切開後に関節内の評価を行い,損傷関節唇を臼蓋縁から剝離した後にpincerを切除する.関節唇機能の低下は変形性股関節症の一因となりうるため,関節唇は縫合もしくは再建を行っている.Camを切除したのちに,関節包を縫合し手術を終了している.

寛骨臼形成不全股に対する鏡視下手術—適応と限界

著者: 和田孝彦 ,   飯田寛和

ページ範囲:P.429 - P.435

 寛骨臼形成不全股では,ほとんどの症例で関節唇損傷や関節軟骨剝離を認められる.近年,股関節内病変に対する鏡視下手術の成績が報告されるが,鏡視下単独手術は多くの報告であまり推奨されず,特に関節唇部分切除は成績不良である.形成不全の程度,関節包靱帯の処置,股関節唇への対応,牽引量,時間,円靱帯の状態,対応,術者の技術などが影響すると考えられる.鏡視下単独手術は,種々の影響因子を検討したうえで一部の症例では適応されるが,現状ではほとんどの場合,避けるべきである.

調査報告

非ステロイド性抗炎症薬を4週間以上服薬している整形外科外来患者の胃食道逆流症の症状調査

著者: 佐粧孝久 ,   村松佑太 ,   向山俊輔 ,   葛城穣 ,   遠藤潤 ,   府川泰輔 ,   西川悟 ,   遠藤富士乗 ,   林宗寛 ,   山口智志

ページ範囲:P.437 - P.441

 背景:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による消化管障害は広く知られているが,胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease,GERD)症状の頻度などについては不明である.

 目的:NSAIDs服用者のGERD症状の発生頻度を調べること.

 対象と方法:整形外科外来通院者の中でNSAIDsを4週間以上服用している患者53名を対象とし,Frequency Scale for the Symptoms of GERD(FSSG):Fスケール問診票を用いたアンケートを実施した.8点以上をGERDの疑いが強いと判断し,その他の因子との関係を調べた.

 結果:①85.0%に消化器用薬が処方されていた.②8点以上が17名(32.1%)であり,胃腸障害の既往が大きな因子であった.

 まとめ:4週以上のNSAIDs服用患者にGERD症状が高率に存在することがわかった.

境界領域/知っておきたい

生活習慣病と骨折リスク

著者: 山内美香 ,   杉本利嗣

ページ範囲:P.442 - P.445

はじめに

 生活習慣病と骨粗鬆症はいずれも加齢に伴い増加するため,両者が併存する例は多い.近年,両者は単に併存するだけでなく,その病態が相互に影響を及ぼすことが明らかとなってきている.骨粗鬆症性の骨折により日常生活動作(ADL)の低下を来し,生活習慣病の悪化が引き起こされる.逆に,2型糖尿病(DM)や慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)といった生活習慣病が骨代謝に大きな影響を及ぼすことが明らかとなってきている3).DMをはじめとする生活習慣病でみられる酸化ストレスの亢進や,終末糖化産物(advanced glycation end products:AGEs)の蓄積,高ホモシステイン血症などは動脈硬化の促進にかかわるのみならず,骨代謝にも影響を及ぼし骨の脆弱化にかかわるとされる.

 これまでに蓄積されたエビデンスや生活習慣病の骨折リスクの評価・管理などについて概説した「生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド」が日本骨粗鬆症学会により刊行されている6).そして,続発性骨粗鬆症のうち疾患関連性骨粗鬆症に,「生活習慣病関連骨粗鬆症」という新たな疾患概念が加えられた3).生活習慣病関連骨粗鬆症として確立されている原因疾患は,DMとステージG3以上のCKDであり,「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版」でも取り上げられた3).さらに近年,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)においても骨折リスクが高まるとのエビデンスが集積しつつある.

連載 整形外科の歴史・5

肩関節外科の歴史

著者: 信原克哉

ページ範囲:P.446 - P.450

肩治療の黎明

 肩の骨傷に対する治療は太古から始まっており,BC3000年頃に建てられたIpuyの石碑に,肩脱臼整復の様子が彫られていることがそれを物語っている(図1).洋の東西を問わず,古代医書にある骨折や脱臼の治療法は,現在私たちが行っている保存療法そのものである.古代ギリシャ人は幾世紀にもわたって実用的知識を蓄積し,病気に対する対応を記録してきた.

 肩脱臼の整復手技は文字と絵画によって伝達されたが,職人としてではなく詳細にこの病態を観察したのはHippocrates(BC469)であった(図2).肩の脱臼のタイプ,さらに治療についての彼の綿密な記載には,現代の肩専門医たちもただ感嘆あるのみである.

整形外科の歴史

関節形成術を中心とした股関節手術の歴史⑤

著者: 小野啓郎

ページ範囲:P.451 - P.456

骨セメント使用

 Acrylic cements, polymethyl-methacrylate(PMMA)(アクリル骨セメントと呼ばれた)は,20世紀初頭に登場したもので,新規の合成化学製剤ではない.1930年頃から歯科で広く用いられていた.Methyl methacrylate monomerと交ぜると常温で即時重合する性質が重宝されたわけである.1950年代にはニューヨークのHospital for Joint DiseaseのEJ Haboushによって整形外科領域にも使われたという.しかし大腿骨の骨髄腔にステムを,あるいは骨盤側にソケットを固定する目的に使用したのはCharnleyであった(図27).その後はthe Dental Manufacturing Company in Blackpool(後にCMW)と提携して,彼の人工関節の固着には必需品となっていった.インプラントの進化とともにその功罪が論じられた20世紀末には,セメント不用のインプラントも登場しだした.

「勘違い」から始める臨床研究—研究の旅で遭難しないために・7

疑問を「構造化」するのは簡単?

著者: 福原俊一 ,   福間真悟

ページ範囲:P.457 - P.461

 これまで臨床研究をめぐるさまざまな「勘違い」について解説してきました.

 前回は,最も基礎に立ち戻り,リサーチ・クエスチョンに関する勘違いについて記載しました.これからしばらく,このリサーチ・クエスチョンにまつわるさまざまな勘違いについて解説したいと思います.今回は,中でも最も基本的な「構造化」に関する勘違いです.

運動器のサイエンス・14

慢性疼痛増加の機序を探る

著者: 半場道子

ページ範囲:P.462 - P.465

fMRI脳画像から露呈した慢性腰痛の異常回路網

 第13回では,慢性腰痛患者(chronic back pain:CBP)を頻繁に襲う自発痛の脳画像を取り上げた.自発痛は慢性疼痛に特有で,健常者は体験しない痛みである.そのためCBPの脳内で一体何が起きているのか,研究手法の難しさも手伝って,自発痛の実態に迫った研究はほとんど行われていなかったのである.自発痛時のfMRIを用いた全脳スキャン画像によって,CBPの痛みの驚くべき本質がえぐり出された.この解析法を用いると,その患者が感じている痛みがどれほど大きいか,腰痛履歴がどれほど長かったかが,80%の確率で診断可能であると報告されている1)

 CBPでは自発痛が数秒から十数分間も持続するが,①自発痛の持続期間と強さに一致して活動が大きく亢進するのは,情動・動機系の神経回路網(内側前頭皮質,前帯状皮質,扁桃体,腹側線条体・側坐核など)であって,②痛みの強さが一過性に急増したと訴える瞬間に活動亢進するのが,感覚・弁別系の神経回路網(大脳皮質第一次/第二次感覚野,島皮質,視床など)であることが明らかにされた1).参考までに各神経核の大まかな位置を図1に示した.

臨床経験

Balloon kyphoplastyとテリパラチド週1回製剤を用いた骨粗鬆症性椎体骨折に対する地域連携パスの試み

著者: 小谷俊明 ,   赤澤努 ,   佐久間毅 ,   根本哲治 ,   宮崎木の実 ,   濱野恭佳 ,   伊藤恵美子 ,   秋山宏美 ,   白井智裕 ,   南昌平

ページ範囲:P.467 - P.471

 背景:骨粗鬆症性椎体骨折に対し経皮的椎体形成術(以下,BKP)とテリパラチド週1回注射製剤(以下PTH週1製剤)を用いた地域連携パス(以下,パス)を行っているので報告する.

 対象と方法:BKP施行後,PTH週1製剤を導入し,診療所に注射を依頼している34症例を対象とした.パス手帳を作成し,当院でも経過観察を行った.

 結果:VAS値,EQ-5Dともに,BKP前に比べて1週後,6カ月後とも有意に改善した.5例(14.7%)で再骨折があった.

 まとめ:診療所でPTH週1製剤注射を受けられること,病院とパスを通して情報を共有しながら治療を行うことができるメリットがあった.

Monoportal posterior lumbar interbody fusionの10年成績

著者: 吉田裕俊 ,   折井久弥 ,   坂井顕一郎 ,   友利正樹 ,   榊経平 ,   佐藤浩一

ページ範囲:P.473 - P.478

 背景:腰椎変性疾患に対する後方経路腰椎椎体間固定術(posterior lumbar interbody fusion,PLIF)の長期成績の報告は少ない.

 対象と方法:当科で施行したmonoportal PLIFの10年成績を調査した.

 結果:単椎間固定術の成績は良好であった.多椎間固定術に及んだ例では,生理的腰椎前弯の保持は困難であり,経時的に腰椎前弯が減少する傾向にあった.隣接椎間障害により保存的および手術的治療を要した症例は約30%に及んでいた.

 まとめ:腰椎固定術を選択する場合,脊柱アライメントの変化や隣接椎間障害を念頭に置き,長期的経過観察が必要である.

Patient matched instruments(VISIONAIRE®)を用いた人工膝関節置換術の骨切り精度の検討

著者: 宮城仁 ,   原田義忠 ,   宮坂健

ページ範囲:P.479 - P.483

 背景:人工膝関節置換術(以下,TKA)では,patient matched instruments(以下,PMI)の導入でconventional instruments(以下,CI)より正確な骨切りが期待される.

 対象と方法:初回TKAの16症例を対象とし,Smith & Nephew社のPMIであるVISIONAIRE®を使用したPMI群とCI群で,骨切り精度をコンポーネントの設置角度により比較検討した.

 結果:大腿骨側では,PMI群で良好な骨切り精度であったが,脛骨側ではPMI群で内反傾向であり,術後の下肢アライメントも半数で内反変形が残存していた.

 まとめ:VISIONAIRE®を用いたTKAでは,大腿骨ガイドのみを使用すべきである.

症例報告

幼児に発症した距骨骨軟骨損傷の1例

著者: 羽田勝 ,   宇佐見則夫 ,   森武男 ,   池上博泰 ,   武者芳朗 ,   金子卓男

ページ範囲:P.485 - P.488

 患児は5歳の女児で,主訴は左足関節痛であった.明らかな外傷の既往はなく,また身体所見でも異常は認めなかった.X線像では,距骨滑車内側前方に骨透亮像を認め,MRIでは同部位にT1強調像では低信号,T2強調像では低信号と高信号が混在した像を呈していた.関節鏡下で生検を施行し,術中採取した組織は,異型細胞や炎症細胞の増殖は認めなかったため,距骨骨軟骨損傷と診断した.その後,経過観察していたが,疼痛が改善されなかったため,関節鏡下で骨髄刺激法を行った.症状は軽快し,現在も症状の再燃はなく経過良好であった.

関節鏡補助下に切除した大腿骨遠位骨軟骨腫の2例

著者: 飛田正敏 ,   市本裕康 ,   勝部浩介 ,   河野大助 ,   野崎健治 ,   森重昌志 ,   上田和典 ,   齊鹿稔

ページ範囲:P.489 - P.494

 大腿骨遠位骨軟骨腫に対して関節鏡を用いて手術した2例を経験した.症例1は25歳の女性で,左大腿骨遠位外側に骨軟骨腫を認めた.関節鏡視下に腫瘍を一塊として切除し,約2cmの皮膚切開部から摘出した.症例2は15歳の男性で,右大腿骨遠位内側に骨軟骨腫を認めた.関節鏡視下に腫瘍を確認したが切除できず,約4cmの皮膚切開を加えて直視下に摘出した.症例1は症例2に比べて約4週間早く独歩が可能で,膝関節可動域が正常化するのも約8週間早く,関節鏡視下手術は早期に日常生活に復帰するうえで有用であった.

Patient specific instrumentsを用いて大腿骨頭回転骨切り術を施行した1例

著者: 山本大樹 ,   中村琢哉 ,   丸箸兆延 ,   笹川武史 ,   瀬川武司 ,   清水脩介 ,   森田保彦

ページ範囲:P.495 - P.499

 大腿骨頭回転骨切り術は大腿骨頭壊死症における関節温存手術として有用な手術である.しかし術前計画や術中の再現性が不正確であれば,成績不良となり人工関節置換術への移行を余儀なくされる可能性もある.今回,正確な術前計画と術中再現性を目指して,3D-CTを用いた術前シミュレーションを行った後に,3Dプリンターで骨モデルと骨切りガイドを作製し,大腿骨頭前方回転骨切り術を施行した1例を経験した.術前計画,術中の再現性について有用な手段になり得ると考えた.

INFORMATION

第42回日本股関節学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.404 - P.404

会期:2015年10月30日(金)〜31日(土)

会場:グランフロント大阪

第11回日本股関節鏡研究会 フリーアクセス

ページ範囲:P.408 - P.408

会期:2015年9月5日(土)

会長:三谷 茂(川崎医科大学 骨・関節整形外科学)

会場:Junko Fukutake Hall

   〒700-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1岡山大学医学部構内

   TEL:086-235-6826

第8回セメントTHAセミナー フリーアクセス

ページ範囲:P.422 - P.422

日時:平成27年8月27日(木)・28日(金)

場所:関西医科大学附属枚方病院

   大阪府枚方市新町2丁目3番1号 TEL:072-804-0101(代表)

第3回ネパール-日本整形災害外科シンポジウム フリーアクセス

ページ範囲:P.428 - P.428

会期:2016年2月11日(木)〜13日(土)

場所:ネパール ポカラ

日本側彎症学会 第13回研修セミナーベーシックコース フリーアクセス

ページ範囲:P.441 - P.441

日時:2015年6月6日(土) 8:25〜17:30

会場:神戸大学 医学部会館 シスメックスホール(神戸市)

第43回整形外科エコーセミナー(入門コース) フリーアクセス

ページ範囲:P.445 - P.445

会期:平成27年10月11日(日) 午前9時〜午後5時頃

会場:大阪医科大学本部キャンパス(医学部) 新講義実習棟1F(T101教室)

   〒569-8686 大阪府高槻市大学町2番7号 TEL:072-683-1221(代表)

   (阪急高槻市駅 徒歩3分)

第60回乳児股関節エコーセミナー フリーアクセス

ページ範囲:P.450 - P.450

会期:平成27年9月4日(金),5日(土)

会場:信濃医療福祉センター

   〒393-0093 長野県諏訪郡下諏訪町社字花田6525-1

第50回日本脊髄障害医学会 フリーアクセス

ページ範囲:P.465 - P.465

会長:戸山芳昭(慶應義塾大学医学部 教授)

学会事務局:慶應義塾大学医学部整形外科学教室

      E-mail:masa@a8.keio.jp

事務局幹事:中村雅也

会期:平成27年11月19日(木)〜20日(金)

会場:グランドプリンスホテル高輪

   〒108-8612 東京都港区高輪3-13-1

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.501 - P.501

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.502 - P.502

文献の書き方 フリーアクセス

ページ範囲:P.503 - P.503

あとがき フリーアクセス

著者: 内藤正俊

ページ範囲:P.504 - P.504

 整形外科医にとって5月最大のイベントは日本整形外科学会学術総会です.今年は5月21日から24日までの4日間,神戸市で開催されます.吉川秀樹会長は世界的,未来的な視点からの新たな発見や発明,医療貢献が強く求められている現況を鑑み,「世界へ 未来へ Be innovative!!」をテーマとして掲げられています.時を同じくして国立研究開発法人「日本医療研究開発機構(AMED)」が先月1日に発足しました.従来,基礎研究は文部科学省,臨床研究は厚生労働省,実用化や製品化は経済産業省と縦割りでしたが,AMEDはこれらを効率的で一元的に管理する司令塔としての役割が期待されています.医療分野の技術革新による新産業創出は現政権の成長戦略の柱の一つとしても取り上げられており,今回の第88回日本整形外科学会学術総会は正に時宜にかなったテーマです.

 整形外科領域での代表的な技術革新は,関節外科の在り様を一新させた関節鏡です.生みの親は,1931年にご考案なさった東京大学整形外科の高木憲次教授と1935年に渡辺式21号型関節鏡を創出なさった渡辺正毅先生です.現在,膝関節と肩関節の診断系から治療系までを網羅し,他のほとんどすべての関節でも次々と活用されるようになっています.惜しむらくは,鏡視下手術の適応を拡大し続けているミニチュア化した道具や新規の手術操作は,主に欧米で開発されているため,大部分の機械器具は海外製品になっていることです.今後,日本版NIHであるAMEDが優れた研究とその成果の実用化を推進し,生まれも育ちも国産の技術革新が続出することを夢見ています.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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