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視座
胸椎腰椎手術—前方回帰のトレンドと落とし穴
著者: 種市洋1
所属機関: 1獨協医科大学医学部医学科整形外科学
ページ範囲:P.397 - P.397
文献購入ページに移動たとえば,腰椎固定術の主流は,後側方固定術(PLF)からPLIFやTLIFといった,後方進入による椎間固定術へパラダイムシフトが起こって久しいが,これも荷重分担の大きな前方要素で椎体間固定を行うことが力学的,生物学的にも有利であり,良好な治療成績が得られるというエビデンスに基づいた自然の流れである.しかし,後方経路からの前方手術は硬膜外腔への過剰な手術侵襲は避けられず,出血や神経組織への潜在的リスクが大きな問題である.重度側弯症に対する変形矯正術では,前方からの椎間板切除による前方解離は常套手段であるが,これをPLIFに準じたアプローチで行うことはない.これはPLIFはあくまで椎間板のごく一部分を切除するのみで,椎間解離としての威力が限定的であることによる.
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