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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻5号

2015年05月発行

文献概要

連載 整形外科の歴史・5

肩関節外科の歴史

著者: 信原克哉1

所属機関: 1信原病院

ページ範囲:P.446 - P.450

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肩治療の黎明

 肩の骨傷に対する治療は太古から始まっており,BC3000年頃に建てられたIpuyの石碑に,肩脱臼整復の様子が彫られていることがそれを物語っている(図1).洋の東西を問わず,古代医書にある骨折や脱臼の治療法は,現在私たちが行っている保存療法そのものである.古代ギリシャ人は幾世紀にもわたって実用的知識を蓄積し,病気に対する対応を記録してきた.

 肩脱臼の整復手技は文字と絵画によって伝達されたが,職人としてではなく詳細にこの病態を観察したのはHippocrates(BC469)であった(図2).肩の脱臼のタイプ,さらに治療についての彼の綿密な記載には,現代の肩専門医たちもただ感嘆あるのみである.

参考文献

1) Bankart ASB:Recurrent or habitual dislocation of the shoulder joint. Br Med J Surg 2:1132-1133, 1923
2) Hill HA, Sachs MD:The grooved defect of the humeral head;A frequently unrecognized complication of dislocations of the shoulder joint. Radiology 35:690-700, 1940
3) Lyons AS, Petrucelli RJ:Medicine- An Illustrated History. Gakken, Tokyo, 1980
4) 三木威勇治:所謂五十肩.日整会誌21:18-20,1946
5) 信原克哉:Rotator Cuffの損傷.日整会誌44:161-175,1970
6) 信原克哉:肩.その機能と臨床.第4版.医学書院,東京,2012
7) Rockwood CA Jr, Matsen FA Ⅲ (eds):The Shoulder, 2nd ed. WB Saunders Co, Philadelphia, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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