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連載 整形外科の歴史・5
肩関節外科の歴史
著者: 信原克哉1
所属機関: 1信原病院
ページ範囲:P.446 - P.450
文献購入ページに移動肩の骨傷に対する治療は太古から始まっており,BC3000年頃に建てられたIpuyの石碑に,肩脱臼整復の様子が彫られていることがそれを物語っている(図1).洋の東西を問わず,古代医書にある骨折や脱臼の治療法は,現在私たちが行っている保存療法そのものである.古代ギリシャ人は幾世紀にもわたって実用的知識を蓄積し,病気に対する対応を記録してきた.
肩脱臼の整復手技は文字と絵画によって伝達されたが,職人としてではなく詳細にこの病態を観察したのはHippocrates(BC469)であった(図2).肩の脱臼のタイプ,さらに治療についての彼の綿密な記載には,現代の肩専門医たちもただ感嘆あるのみである.
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