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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻6号

2015年06月発行

文献概要

論述

鏡視下肩腱板修復術後に発症した複合性局所疼痛症候群(CRPS)様症状について

著者: 今田美奈子1 原田幹生2 鈴木俊1 村成幸2

所属機関: 1吉岡病院リハビリテーション部 2吉岡病院整形外科

ページ範囲:P.519 - P.522

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 背景:鏡視下肩腱板修復術(以下,ARCR)後に発症した複合性局所疼痛症候群(CRPS)様症状に関与する因子について検討した.

 対象と方法:ARCR後の40名41肩を対象とした.手指に浮腫・可動域制限がみられ,温冷交代浴を行った患者をCRPS様症状ありと診断した.

 結果:CRPS様症状を10肩(24%)に認めた.CRPS様症状発症群では未発症群に比べ,術前の痛みが強く,術前の肩関節自動外旋可動域制限を認めた.

 まとめ:術前の痛みの緩和や術前の入念な肩関節可動域訓練が,ARCR後のCRPS様症状の予防になる可能性が示唆された.

参考文献

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2) 小林博一,畑 幸彦,関  博・他:肩腱板断裂術後に発症した反射性交感神経性ジストロフィー様症状の検討.肩関節28:549-552,2004
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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