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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻6号

2015年06月発行

文献概要

境界領域/知っておきたい

靴と足部障害

著者: 田中尚喜1

所属機関: 1JCHO東京新宿メディカルセンター

ページ範囲:P.540 - P.543

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はじめに

 履き物としての靴は,人間の歩くなどの活動を支持すること,足部や身体を保護することが最重要の事項と考えられるが,古代エジプトでは神官などの身分を示すものとして使用された.当然,機能的ではない華美な装飾も用いられた.したがって,歴史的な流れの中で,機能的な靴とファッショナブルな靴など,アンビバレントな状況で進化してきた.また,モータリゼーションの影響もあり,本邦のみならず世界的に歩行距離が減少してきている.本来,ファッショナブルな靴も履く側の足に合わせて使用されるものであったが,昨今の靴の選択要素として,短期間の履き心地が重要となっている.オーダーメイドの革靴では使用するまでには1カ月は必要とするのだが,非日常的な遠足や運動会などの直前に既製品を選ぶ際に,履き心地を重視するあまり,「芯のない靴」,言い換えるとソックスを履くのと変わらない靴を購入する方が増えている.確かそれらの行事のお知らせには,靴に対しては「履き慣れた」という言葉が付いていたと記憶している.科学技術の進歩と逆行して,足部は間違いなく退化の一途となっている.

 そこで,靴と履く側の人間の変化を考慮したうえで,現在の足部障害について検証してみる.

参考文献

1) 内田俊彦,藤原和朗,高岡 淳・他:外反母趾の足サイズと靴サイズに関する検討,靴の医学18:47-51,2005
2) 田中尚喜:伊藤晴夫(監修):腰痛下肢痛のための靴選びガイド—からだにあった正しい靴を履いていますか? 第2版.日本医事新報社,2010
3) 社団法人日本皮革産業連合会:足サイズ計測事業報告書,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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