icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻6号

2015年06月発行

文献概要

臨床経験

慢性非特異的腰痛症患者に対する骨盤周囲筋の簡便なストレッチによって改善する日常生活動作

著者: 戸田佳孝1

所属機関: 1戸田リウマチ科クリニック

ページ範囲:P.579 - P.584

文献購入ページに移動
 背景:慢性非特異的腰痛症(腰痛症)の危険因子の一つには長時間の座位が挙げられる.そこで今回,腰痛症に対する骨盤周囲筋のストレッチの効果を評価した.

 方法:患者を骨盤後方,側方と前方の筋肉群のストレッチを指導する“指導あり群”と“指導なし群”に前向きに無作為分類した.

 結果:指導あり群(17例)は指導なし群(16例)に比べて「外出が困難」(p=0.015),「臥床することが多い」(p=0.01)および「階段昇降が困難」(p=0.035)の徴候で改善率が有意に優れていた.

 結論:骨盤周囲筋のストレッチは腰痛症の簡便で有効な治療法となる可能性がある.

参考文献

1) Cailliet R(萩島秀男訳):腰痛症.腰椎骨盤リズム.医歯薬出版,東京,第3版.pp40-46,1998
2) 岩渕真澄,白土 修,志田 努:保存療法.腰痛体操療法の意義.Modern Physician 31:S1069-S1072,2011
3) 菊地臣一(編):運動器の痛みプライマリケア.腰背部の痛み.第1版.南江堂,pp2-6,2009
4) 公文崇詞,久保紳一郎,黒木浩史・他:腰痛症に対するジブカイン塩酸塩配合薬によるトリガーポイント注射の治療効果.整・災外51:1477-1481,2008
ed, 1583-1600, 1993
6) 宗田 大:腰痛を治す—こだわりの保存療法(ストレッチ).膝痛—知る診る治す.メディカルビュー,pp99-124,2009
7) 宗田 大:「かばう」より「正しく動かす」ほうが楽になる.痛みとりストレッチ.青春出版,pp23-36,2013
8) 大槻桂右:病期別の非特異的腰痛症3症例に対する大腿筋膜張筋へのダイレクト・ストレッチングと中臀筋への筋力強化運動による即時的効果.理学療法科学29:81-85,2014
9) Roland M, Morris R:A study of the natural history of low-back pain. Part II:development of guidelines for trials of treatment in primary care. Spine 8:145-150, 1983
10) 須賀哲夫,大井淑雄,町田 敏・他:腰椎装具の治療効果の検討—腰痛症候群696例の分析.骨・関節・靱帯4:235-245,1991
11) 鈴鴨よしみ:運動器の疼痛をどう捉えるか.菊地臣一(編):運動器の痛みプライマリケア.腰背部の痛み.南江堂.pp7-11,2009
12) Turner JA, Deyo RA, Loeser JD, et al:The importance of placebo effects in pain treatment and research. JAMA 271:1609-1614, 1994
13) World medical association:The Declaration of Helsinki. World Med J 29:86-88, 1982
14) 山副孝文,高石真二郎,浦川 宰・他:腰痛予防としてのストレッチング 「腰磨き」の一環としての重要性.Orthopaedics 21:S31-S40,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら