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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻7号

2015年07月発行

文献概要

症例報告

悪性転化を来した線維性骨異形成の1例

著者: 竹内政道1 藤田有紀1 柳澤道朗1 藤哲1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座

ページ範囲:P.693 - P.697

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 53歳の女性が右下腿近位内側の腫脹を主訴に来院し,画像検査により,多骨性の線維性骨異型成(FD)を背景に右脛骨近位部が悪性化したものと考えられ,生検病理像で骨肉腫と診断した.術前化学療法を施行したが効果は得られず,大腿切断術を施行した.術後3年で局所再発,遠隔転位は認められていない.FDは稀に悪性転化することがあり,多骨性FDにそのリスクが高く,化学療法は効果が低いと報告されている.早期発見と治療のため,特に多骨性FDと診断された患者には,可能な限りフォローアップを継続する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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