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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻7号

2015年07月発行

文献概要

症例報告

膝蓋骨骨折に対して施行した周囲鋼線締結法後に折損が生じ膝関節内に迷入した1例

著者: 珍部正嗣1 石田博英1

所属機関: 1八雲総合病院整形外科

ページ範囲:P.699 - P.703

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 膝蓋骨骨折に対して施行した周囲鋼線締結法後にワイヤーの折損を生じ,これが膝関節内に迷入した1例を経験した.症例は82歳の男性で,外出先で転倒受傷し当科に入院した.骨折に対して周囲鋼線締結法による骨接合を施行した.術後6カ月時に膝関節痛,腫脹を生じて来院した.X線で折損したワイヤーの迷入を認めたため,鏡視下にこれを摘出した.同法によるワイヤーの折損はめずらしいことではなく,関節内に迷入することも否定できず,折損が認められた場合には早期に抜去の必要があると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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