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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻8号

2015年08月発行

誌上シンポジウム 反復性肩関節脱臼後のスポーツ復帰

野球における競技復帰—鏡視下Bankart法後を中心に

著者: 高橋憲正1

所属機関: 1船橋整形外科病院肩関節・肘関節センター

ページ範囲:P.727 - P.732

文献概要

 野球競技者における反復性肩関節脱臼はめずらしくない.投球側ヘッドスライディングでの受傷が多く,非投球側はヘッドスライディングに加えダイビングキャッチでの受傷が多い.治療は原則として手術が必要で,鏡視下Bankart法を主として腱板疎部縫合を必要に応じ補強として追加する.術後はメディカルリハビリテーションに加えて,特に投球側においては投球動作に即したアスレティックリハビリテーションが必要となる.術後のスポーツ復帰はおおむね良好であるが,投球側では平均10カ月,非投球側では約6カ月の期間を要するため,選手の学年やシーズンを考慮して手術を計画する必要がある.

参考文献

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7) 高橋憲正,菅谷啓之:スローイングアスリートの反復性肩関節脱臼に対する診断と治療 3.鏡視下手術の実際と成績.臨床スポーツ医学27:1331-1337,2010
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9) 高橋憲正,菅谷啓之,澤野靖之・他:スポーツ整形外科術後リハビリテーションプログラム.反復性肩関節脱臼—鏡視下法.臨床スポーツ医学29:431-445,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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