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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科50巻9号

2015年09月発行

文献概要

臨床経験

骨粗鬆症性椎体骨折の初発骨折と再発骨折における不顕性骨折と骨密度の比較

著者: 太田孝一1

所属機関: 1江別市立病院麻酔科ペインクリニック

ページ範囲:P.903 - P.906

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 目的:高齢者骨粗鬆症性椎体骨折の初発例と再発例における不顕性骨折と骨密度を比較検討した.

 対象と方法:2014年1月〜12月に骨粗鬆症性椎体骨折で入院した65歳以上の19例を対象とし,初発群9例(21椎体)と再発群10例(18椎体)に分けた.椎体をSQ法で,骨密度はYAM値で検討した.

 結果:初発群では,不顕性骨折(SQ法グレード0)が有意に多かった.骨密度については両群間に差はなかった.

 まとめ:椎体変形のない不顕性骨折は,再発群では初発群に比べ少ないが,約20%存在した.骨密度は,両群間に有意な差は認められなかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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