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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻1号

2016年01月発行

文献概要

論述

肘部管症候群手術症例における術後1年での電気生理学的回復について

著者: 隈部洋平1 金谷貴子1 名倉一成1 美舩泰2 国分毅2 鷲見正敏1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科 2神戸大学大学院医学研究科外科学講座整形外科

ページ範囲:P.5 - P.8

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背景:肘部管症候群の術後1年での電気生理学的回復を検討した.

対象と方法:51例を赤堀の電気生理学的分類〔Ⅰ期;運動神経伝導速度(MCV),感覚神経伝導速度(SCV)がともに正常,Ⅱ期;MCV正常+SCV低下,Ⅲ期;MCV正常下限もしくは低下+SCV低下,Ⅳ期;MCV低下+SCV消失,Ⅴ期;MCV,SCVともに消失〕に基づき評価した.

結果:術前は重症例(Ⅳ,Ⅴ期)であった29例は術後5例へ有意に減少し(p<0.0001),中等症例(Ⅲ期)が有意に増加した(p<0.0001).

まとめ:肘部管症候群の術後の電気生理学的回復は重症例にも期待できる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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