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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻12号

2016年12月発行

文献概要

症例報告

第5趾基節骨,中足骨の骨切除と抗菌薬含有生体活性セラミック充填により切断術を回避できた足部骨髄炎の1例

著者: 廣田智也1 村田泰章1 伊藤匡史1 加藤義治1

所属機関: 1東京女子医科大学整形外科

ページ範囲:P.1173 - P.1176

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 症例は52歳男性で,左鶏眼から感染し第5趾基部骨髄炎の診断で治療目的に紹介され受診した.第5趾基部骨髄炎に対し,切断術の適応と考えられたが,患者の意向を入れ,患肢を温存すべく,基節骨切除術と中足骨部分切除術および抗菌薬含有生体活性セラミック充填を術式として選択した.術後,抗菌薬の点滴投与を12日間行い,内服薬に切り替えた.創部に感染などの問題なく退院となった.本症例は,既往に反対側である右足に糖尿病性壊疽があり,難治性の病変である.骨融解が左第5趾中足骨,基節骨まで進行し,切断が必要と考えられたが,抗菌薬含有生体活性セラミック充填が功を奏した.

参考文献

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2) 寺師浩人.糖尿病性潰瘍の原因と病態.市岡 滋(監修).創傷のすべて—キズをもつすべての人のために.東京:克誠堂出版;2012,p.132-5.
3) 安部正敏,中西健史,松尾光馬・他.創傷・熱傷ガイドライン委員会報告—3 糖尿病性潰瘍・壊疽ガイドライン.日皮会誌122:2012,281-319.
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5) 吉田格之進,長谷川正裕,須藤啓広・他.抗菌薬含有ハイドロキシアパタイトを用いた感染性人工膝関節の治療経験.中部整災誌2010;53:339-40.
6) 内田淳正,山下康生.ハイドロキシアパタイトセラミックスによる薬剤性徐放システム.日関外誌1998;ⅩⅦ(2):99-104.
7) 腰野富久(編).整形外科手術のための解剖学—下肢.東京,メジカルビュー社:1999;p.166-7.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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