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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻12号

2016年12月発行

文献概要

症例報告

自壊を伴う多発巨大痛風結節に対して外科的治療を要した1例

著者: 淺亮輔1 嶋村佳雄1 百村励1 古谷洋之1 平田一博1 折笠英紀1

所属機関: 1東部地域病院整形外科

ページ範囲:P.1183 - P.1187

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背景:近年,高尿酸血症に対する内科的治療の進歩により,痛風結節の形成まで進行する症例は減少している.さらに外科的治療を要するほど巨大であり,かつ多発する痛風結節に遭遇することは稀である.今回,われわれは四肢に多発する巨大な痛風結節が自壊したことにより来院し,外科的治療を要した症例を経験した.

症例:54歳男性で,2014年9月頃,四肢に多発する腫瘤を自覚した.徐々に増大し,自壊を認めたため近医から紹介された.痛風結節の診断で手術を施行した.術後,結節の再発は認めなかった.

結果:本症例では自壊による二次感染の防止と,外科的治療による尿酸プールの減少,全身尿酸代謝の改善を目的に,手術を行った.術後,血清尿酸値の良好なコントロールを得ることが可能となった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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