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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻2号

2016年02月発行

文献概要

誌上シンポジウム MISの功罪

手根管症候群に対する関節鏡下手根管開放手術の功罪

著者: 橋詰博行1 佐藤亮三2

所属機関: 1笠岡第一病院笠岡手・上肢外科センター 2香川労災病院整形外科

ページ範囲:P.133 - P.137

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 当院における日帰り手術では,手根管症候群に対する関節鏡下手根管開放手術が圧倒的に多い.過去10年間に当院で手根管症候群に対して前腕遠位の1つの挿入口から鏡視と屈筋支帯切離の操作が行えるuniversal subcutaneous endoscope(USE)システムにより手術した例は2,016例2,375手で,手術成績は優1,441手(61%),良758手(32%),可97手(4%),不可79手(3%)であった.可・不可の成績不良例176例の内訳は高齢者のGrade 3の例が146手(83%),しびれ・痛みの残存例が19手(11%)であった.局所麻酔下の低侵襲手術で早期社会復帰を可能とする方法と考えるが,術中,術後を通じての疼痛対策が大切である.

参考文献

1 )橋詰博行,名越 充:Single-portal technique.手関節鏡・肘関節鏡.松井宣夫・奥津一郎(編):53-61,メジカルビュー,1998
2 )橋詰博行,名越 充,井上 一:手根管症候群に対する鏡視下手根管開放術.関節外科17(9):16-22,1998
3 )Hasegawa K, Hashizume H, Senda M, et al:Evaluation of release for idiopathic carpal tunnel syndrome:Endoscopic versus open method. Acta Med Okayama 53(4):179-183, 1999
4 )Kelly CP, Pulisetti D, Jamieson AM. Early experience with endoscopic carpal release. J Hand Surg Br 19:18-21, 1994
5 )小西池泰三,橋詰博行:ECTR(奥津法)後のpillar painの検討.日手会誌22(2):6-9,2005
6 )名越 充,橋詰博行,小西池泰三・他:鏡視下手根管開放術(奥津法)における術中の問題点とその対処法.日手会誌24:213-216,2007
7 )奥津一郎,二ノ宮節夫,夏山元伸・他:Universal endoscopeの開発と皮下鏡視下手術の試み.日整会誌61:491-498,1987
8 )奥津一郎,浜中一輝,田辺恒成・他:手根管症候群の鏡視下手術とは何か.日手会誌12:391-394,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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