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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻2号

2016年02月発行

文献概要

臨床経験

腰部脊柱管狭窄症に対する顕微鏡視下椎弓切除術後の入院期間の調査—入院期間延長の原因と短縮への取り組み

著者: 串田剛俊1 池浦淳1 足立崇1 飯田寛和1

所属機関: 1関西医科大学附属枚方病院整形外科

ページ範囲:P.185 - P.190

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 腰部脊柱管狭窄症に対して顕微鏡視下椎弓切除術を行った382例の入院期間について検討した.

 平均入院期間は17.6日であったが,そのうち入院期間17日以内が72%,18〜30日が23%,31日以上が5%であった.入院期間18日以上の症例うち,転院群の「術後7日目以内の歩行器歩行自立」の割合が自宅退院群に比べ有意に低かった.

 よって,術後7日目の歩行能力を参考に転院を考慮する必要があると考えられた.また,合併症20例の平均入院期間が47.6日と長期間となるため,回復期病院などでの機能訓練の必要性についても術前に説明する必要があると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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