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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科51巻4号

2016年04月発行

雑誌目次

視座

効率的な仕事への分岐点

著者: 今井晋二

ページ範囲:P.309 - P.310

 現代社会を生きる私たちは,普段,効率を考えて行動することが多くなっています.雑誌をパラパラめくりながらメールを書いたり,魚を煮ながら掃除をしたり.このように「〜しながら」は一度に2つ以上のことができるので,「ながら」は効率向上の決め手のように感じます.

 しかし,雑誌の情報はきちんと把握できるでしょうか? メールに的外れな返事をしていないでしょうか? 煮つけの身の硬さや味の濃さ,色艶の出来映えなど,折角の魚を台無しにしていませんか?

誌上シンポジウム THA後感染の予防・診断・治療の最前線

緒言 フリーアクセス

著者: 稲葉裕

ページ範囲:P.312 - P.312

 人工関節置換術は変形性関節症や関節リウマチなどの関節障害に対する確立された術式であり,その件数は年々,増加しているが,重要な合併症として術後感染がある.わが国では近年,人工股関節全置換術の件数は年間6万件に達し,人工骨頭置換術を含めると年間12万件となっている.この手術件数は今後も増加の一途をたどり,それに伴い人工関節周囲感染も増加することが予測される.人工関節周囲感染は治療に難渋する症例が多いため,医師・患者ともに負担が大きく,医療経済面から考えてもその予防と確実な診断に基づく適切な治療が必要である.また,近年の研究では人工関節周囲感染患者は生存率が低いことも報告され,その予防・診断・治療の向上が望まれる.

 そこで今回の誌上シンポジウムでは,人工股関節置換術に絞り,術後感染の予防・診断・治療の最前線について取り上げた.内容では,疫学・危険因子,予防法,診断法,手術療法,抗菌薬の使用法について,それぞれの分野の第一線で活躍されている先生方に最新の知見について執筆をお願いした.まず疫学では,わが国における人工関節周囲感染の発生率や最近の動向とともに,現在,明らかとなっている危険因子について記載をお願いした.予防では,わが国と諸外国のガイドラインからの最新情報,現在までのエビデンスに基づく予防法,そして今後の方向性について論述していただき,診断では,Musculoskeletal Infection Society(MSIS)やCDC/NHSNから提唱されている診断基準とともに,今後期待される新しい診断方法についての記載がなされた.治療法では,インプラントの温存手術,一期的および二期的再置換術の適応・成績とともに,抗菌薬の使用方法の実際について詳しく解説されている.

人工関節置換術後感染の疫学と危険因子

著者: 正岡利紀 ,   松下和彦 ,   阿部哲士 ,   石井朝夫 ,   梶山史郎 ,   小谷明弘 ,   斎藤政克 ,   山田浩司 ,   勝呂徹

ページ範囲:P.313 - P.316

 人工関節置換術後感染(SSI)発生率は初回手術で0.2〜3.8%程度,再置換術では0.5〜17.3%程度と高くなる.原因菌の由来として外因性要因(手術室環境・落下細菌など)のみならず,内因性要因(患者要素)の関与が指摘されるようになり,SSI予防上重要な要素といえる.原因菌としては黄色ブドウ球菌または表皮ブドウ球菌が多いが,耐性菌が3〜4割を占めている.糖尿病のほか,さまざまなリスク因子を理解し,それぞれのリスク因子に対し細心の注意を払って感染予防に努めることが重要である.

人工関節置換術後感染のエビデンスに基づく予防

著者: 山田浩司 ,   佐々木了 ,   松本卓也 ,   山川聖史 ,   竹下祐次郎 ,   安部博昭 ,   金井宏幸 ,   時村文秋 ,   田中栄 ,   松下和彦

ページ範囲:P.317 - P.321

 手術部位感染予防で最も科学的根拠が強いのが予防抗菌薬である.本稿では,その使い方と問題点について骨・関節術後感染予防ガイドライン改訂版(日本整形外科学会)と術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン草案(日本化学療法学会)を中心に概説する.また,術中術野汚染対策はわれわれ外科医として特に気になるところであるが,世界的にバイオクリーンルームの有用性に対し懐疑的な見方が強くなってきている.一方,術前除菌の有用性についてはさまざまなエビデンスが出てきた.予防を考えるうえで知っておくべきこれら最新のトレンドについて概説する.

人工関節周囲感染診断の最前線

著者: 小林直実 ,   稲葉裕 ,   齋藤知行

ページ範囲:P.323 - P.326

 人工関節周囲感染に関する問題は近年さかんに取り上げられている.なかでも診断に関する進歩は目覚ましく,診断基準も含め世界的なコンセンサスも得られつつある.本稿では人工関節周囲感染診断における,各種バイオマーカー,分子生物学的診断法,病理診断,核医学画像診断などについての最新知見を述べる.

感染人工股関節に対する治療法の選択

著者: 䯨賢一 ,   飯田寛和

ページ範囲:P.327 - P.335

 人工関節周囲感染の治療は,洗浄・デブリドマン,一期的再置換術,二期的再置換術などの選択肢がある.術後早期の場合,洗浄・デブリドマンも可能だが,感染の本質はバイオフィルムであることからインプラント抜去を要することが多く,条件を満たせば一期的再置換術も可能である.人工関節周囲感染は悩ましい合併症の1つだが,正しく治療すれば寛解率は90%以上である.

感染人工股関節の治療成績

著者: 羽山哲生 ,   大谷卓也 ,   藤井英紀 ,   川口泰彦 ,   丸毛啓史

ページ範囲:P.337 - P.342

 感染人工股関節の予防,診断と治療には非常に多くの因子が関与し複雑で困難な問題である.治療に際しては症例ごとに治療法を検討することが重要であり,基本的には二期的治療として徹底的な感染制圧をめざすこと,インプラント抜去は選択的に行うこと,articulating cement spacerを活用すること,また,術後の抗菌薬治療を強力に行うことなどにより,感染制圧と機能維持の両立を目指せるものと考える.

人工関節周囲感染に対する抗菌薬使用方法

著者: 西坂文章

ページ範囲:P.343 - P.346

 人工関節周囲感染(PJI)治療では外科的治療とならび抗菌薬治療も重要である.各種抗菌薬の特徴を知ったうえでPK/PD理論に沿った投与を行うことで最大限の有効性が得られる.また,起炎菌が検出されていない時期はde-escalationの適応となるが,いくつか注意すべき事項がある.経口抗菌薬を長期間投与するchronic suppressionは適応を限定するべきであり,次の手術加療を行う予定であれば控えるべきである.

論述

頚椎変性疾患患者の健康関連QOLと頚部症状および上肢症状との関連

著者: 葉清規 ,   対馬栄輝 ,   大石陽介 ,   村瀬正昭

ページ範囲:P.347 - P.351

背景:頚椎変性疾患患者の健康関連QOLと,頚部・上肢症状との関連の報告はみられない.

対象と方法:頚椎変性疾患187例のSF-8(身体的・精神的健康度)を国民標準値と比較し,次いで頚部・上肢症状との関連を解析した.

結果:187例中167例が身体的健康度は国民標準値以下であった.SF-8と頚部・上肢症状には強い相関がみられ,頚部・上肢症状においては頚部痛による日常生活機能障害の影響が強かった.

まとめ:頚椎変性疾患患者の健康関連QOLは,身体的健康度が低下し,頚部痛による機能障害と強く関連していた.

手内筋筋力測定—女性ピアノ演奏者と非演奏者との比較

著者: 玉珍 ,   及川直樹 ,   千見寺貴子 ,   青木光広 ,   坪田貞子

ページ範囲:P.353 - P.358

背景:ピアノ演奏家の手内筋筋力は知られていない.本研究では女性のピアノ専攻学生とピアノ非経験者の手内筋筋力を比較し,ピアノ専攻者の手内筋の特徴を調べた.

対象と方法:ピアノ専攻者16名(19.8歳)とピアノ非経験者17名(対照:21.5歳)の握力とピンチ力,手内筋筋力をJAMAR Hand DynamometerとRotterdam筋力計で測定した.

結果:握力はピアノ専攻群と対照群間に差がなく,両群内の利き手非利き手の差もなかった.ピンチ力と手内筋力はピアノ専攻群が対照群より大きかった(P<0.01).

まとめ:ピアノ専攻群の左右の手内筋は発達しており演奏に適していた.

Lecture

筋肉のエイジング・アンチエイジング—サルコペニアと運動の効果について

著者: 志波直人

ページ範囲:P.361 - P.366

はじめに

 高齢者では,筋力の低下が歩行(移動)能力の低下や転倒による骨折に大きな影響を及ぼす.このため,歩行能力の維持は健康寿命を保つために重要であり,歩行能力を維持するためには,骨格筋の機能を保つ必要がある.アンチエイジングは現在,高齢者の健康保持・増進や介護予防への対応で注目されているが,筋肉のエイジング・アンチエイジングという観点からは,サルコペニアについて理解し,その予防と改善について検討する必要がある.

整形外科/知ってるつもり

反復性肩関節脱臼におけるglenoid track—具体的にどのように使うのか

著者: 山本宣幸 ,   井樋栄二

ページ範囲:P.368 - P.371

はじめに

 われわれがglenoid trackという概念を提唱したのが2007年1)であるので,既に9年が経過していることになる.しかしglenoid trackの線はどう引けばよいのですか?という質問もまだたくさんいただく.確かにglenoid trackの計算の仕方は簡単だが,線の引き方となるとわかりにくいところがあるかもしれない.そこで本稿では実際にどのようにglenoid trackの概念を使い,かみ込みのリスク評価を行ったらよいのか,実際の症例のCT画像を使ってglenoid trackの計算の仕方から線の引き方までを1つひとつステップを踏んで説明していきたいと思う.本稿が実際の臨床の現場でお役に立てば幸いである.

関節のぽきぽき音

著者: 多田薫 ,   山本大樹 ,   菅沼省吾 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.372 - P.374

 特定の関節に対して他動的に牽引や屈曲,側屈を加えた際に,「ぽきぽき」という音(以下,ぽきぽき音)が発生することは周知の現象であろう.ちなみに筆者は手指のMP関節や頚椎,腰椎を捻った際にぽきぽき音が発生する.これらのぽきぽき音は何かすっきりとした満足感を伴う音であり,一度発生させると一定期間は再現が不可能となる.一方,筆者は腓骨筋腱脱臼のために足関節の外がえし時にもぽきぽき音が発生する.こちらのぽきぽき音は無限に発生させることができるが,満足感はほぼない.すなわち,一口にぽきぽき音といっても発生部位によってその原因や結果は異なるはずである.筆者は手外科を専門としており,この稿では「手指」のぽきぽき音について文献的考察を行う.

境界領域/知っておきたい

難治性疼痛に対する脊髄硬膜外刺激電極療法

著者: 大鳥精司 ,   志賀康浩 ,   折田純久 ,   江口和 ,   稲毛一秀 ,   佐藤淳 ,   金元洋人 ,   山内かづ代 ,   鈴木都 ,   藤本和輝 ,   阿部幸喜 ,   青木保親 ,   高橋和久

ページ範囲:P.376 - P.379

治療の歴史

 脊髄硬膜外刺激電極療法(spinal cord stimulation:SCS)は,脊髄後索に微弱な電流を流し,電気刺激によって疼痛の緩和を図る治療法である.1965年にMelzackら1)により提唱されたゲートコントロール理論を基盤として,1967年にShealyら2)が世界で初めてのSCSの報告を行った.その後,SCSは侵害受容性疼痛への有効性が低いことからゲートコントロール理論のみでは説明がつかないとされ,現在では,抑制性の神経細胞の活性化で起こるGABAの放出増強および興奮性伝達物質の減少3−5)や,SCSの上行性の信号による下行性抑制路の賦活化6,7)がSCSの除痛機序として考えられている.本邦では1992年に保険適用が認められ,当初はペインクリニック領域を中心に使用されてきた.近年ではデバイスの進歩が目覚ましく,刺激電極の多極化や刺激設定方法の改良によってSCSの治療効果が向上している.また従来のデバイスは植込み後にMRIが撮像できなくなる欠点があったが,全身MRI対応機種の開発により整形外科医にとってもSCSを使用しやすくなった.さらに装置に内蔵された体動センサーによる姿勢変動時の刺激の自動調整機能や,それに付随する患者のADL(起きている時間,寝ている時間などの体位変化)の測定機能によって,管理の利便性も向上した.

連載 東アフリカ見聞録・4

整形外科でみる東アフリカ・ウガンダの医療

著者: 馬場久敏

ページ範囲:P.380 - P.381

 一国や一地域の医療を想い計るのに,いくつかの専門的分野での現状をみればおおよそのことは見当がつくかもしれない.しかしその片鱗を知って全体を想うことは“群盲,象をなでる”であるので,控えるべきではある.一国のGDPであれ国民所得であれ,また一国民の医療費支出額などは,インターネットでかなりの部分を瞬時に調べることができる.しかしながら,どのような医療をどういった状態や条件で,またどのようにして受けることができるか,先端的な諸検査や進んだ治療法,手術やその後のfollow-upなどをいかに保証されて受けることができるかは,数字や報告書では量ることが難しい.

 ウガンダを含めたケニア,タンザニアなどの東アフリカ諸国では,医学教育や医療制度,社会保障制度もよく似ており,アフリカ全体からみると先進的であると評されている.最も進んでいるのは南アフリカであり,ウガンダの整形外科医たちも短期留学,手術手技コース,技術セミナーなどで頻繁に南アフリカを訪問している.骨折外傷に限れば保存療法が主体であり,ギプス巻きや創外固定,補装具など,ややもすると本邦の若手より優れている面もある.技術を磨き,数をこなしているからである.

症例報告

Sugar tongs型ギプスシーネ固定部内に生じたA群β溶連菌による壊死性筋膜炎の1例

著者: 遠藤康広 ,   高橋正明 ,   宇田川和彦 ,   鬼沢正道

ページ範囲:P.383 - P.386

 症例は,健常な57歳男性の左橈骨遠位端骨折であった.Sugar tongs型のギプスシーネ固定7日目後から左肘部に疼痛を自覚し,その4日後には疼痛がさらに増強したため救急外来を受診した.ギプスシーネで固定されていた左肘部外側には腐敗臭を伴う皮膚障害を認めた.Vital sign,血液生化学およびCT検査から壊死性筋膜炎を疑い即日緊急手術を施行した.手術部位(フィンガーテスト陽性)で採取した浸出液からはA群β溶連菌が検出された.切除した壊死部は開放創として,5週間後に遊離植皮術を施行した.入院から8週間後,機能障害もなく植皮部は生着し退院となった.

大腿骨転子部骨折に対する髄内釘固定後にlag screw内側移動を生じた1例

著者: 高須厚 ,   河野正明 ,   森実圭 ,   芝成二郎 ,   河野康平 ,   沖貞明

ページ範囲:P.387 - P.390

 大腿骨転子部骨折の髄内釘固定後にlag screwが内側へ移動し,骨頭を穿破した稀な症例を経験した.77歳男性の左大腿骨転子部骨折(AO分類 31-A2.1)に対しIPT nailを用いて骨接合術を行った.術後3週で骨折部に破綻ないままlag screwの内側移動・骨頭の穿破を認めた.INTER-TANを用いて髄内釘入替えを行い,術後12週で骨癒合を認めた.遠位横止めスクリューを支点にネイルが動くtoggle actionによる合併症と推測され,大転子粉砕を認める症例では内固定の選択に注意が必要と考えた.

術後早期に脛骨コンポーネントとポリエチレンインサートの破損を生じたFNK人工膝関節の1例

著者: 金子卓男 ,   大谷崇裕 ,   望月雄大 ,   羽田勝 ,   松本太輔 ,   豊田真也 ,   池上博泰 ,   武者芳朗

ページ範囲:P.391 - P.395

 FNK(帝人,ナカシマメディカル)人工膝関節全置換術(TKA)から術後6年で,Ti-6Al-4V合金製脛骨コンポーネントと超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)インサートの破損により,再置換術を施行した1例を経験したので報告する.症例は56歳女性,両膝OAで一期的に両膝TKA施行した.術後6年で右膝内側脛骨コンポーネントとポリエチレンインサートの同部位に破損を認めた.FNK人工膝関節は骨温存する目的で極力コンポーネントの厚みが薄くなっていることや,ポリエチレンインサートはCross-link未処理の超高分子量ポリエチレンであることが特徴である.術直後の両膝TKAはアライメント不良,肥満もなく,患者の活動性も低い.またポリエチレン摩耗粉による異物反応による骨溶解もなく.コンポーネントとポリエチレンの機械的強度の不足が示唆された.

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.307 - P.307

「臨床整形外科」最優秀論文賞2015発表 フリーアクセス

ページ範囲:P.311 - P.311

 このたび,「臨床整形外科」最優秀論文賞を設け,整形外科領域に関する独創的で優れた論文を表彰することとなりました.昨年1年間(2015年,50巻)に掲載された投稿論文を対象に,編集委員会による厳正な審査のもと,下記論文の受賞が決定いたしました.

書評 MISt手技における経皮的椎弓根スクリュー法—基礎と臨床応用 フリーアクセス

著者: 德橋泰明

ページ範囲:P.359 - P.359

 すばらしい経皮的椎弓根スクリュー法の「手術書+教科書」が刊行されたので,ぜひ紹介したいと思います.

 本書は,星野雅洋先生をはじめ,日本MISt研究会の5人の発起人が編集を担当し,各術式や項目についてはエキスパートの先生方が執筆しています.常々,手術書には3つの条件が必要と考えています.一つは正確であること(解剖は正確でなくてはならない),一つは実践的であること(経験に基づいた術者の視点で描かれていること),最後は美しいこと(手術も手術書もfineでなくてはならない)です.本書がこの3条件をクリアしていることは当然ですが,特に基本手技,この手技が有用な病態や疾患別の適応,安全性への取り組み(合併症とその予防への取り組み)にもかなりのページを割いていただき,初心者やこの手技に慣れていない人にとって大いに役立つものになっています.いわば経皮的椎弓根スクリュー法の「手術書+教科書」が本書の特徴です.心して立ち向かわなければならない比較的難度が高く,ハイリスクの手術でも,本法の導入により,より低侵襲な手術として対処できることもわかります.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.397 - P.397

あとがき フリーアクセス

著者: 内藤正俊

ページ範囲:P.400 - P.400

 平成28年度から2年間の保険診療の“公定価格”を決める診療報酬の改定率が0.49%引き上げられました.今回は地域包括ケアシステムの構築に向けた3回目の改定となり,病床機能分化の促進と在宅医療の推進が特徴になっています.特定機能病院と一般病床500床以上の地域支援病院での紹介なし患者への定額負担徴収が責務となり,ICTを活用した患者情報の共有に対し点数が算定できるようになりました.整形外科関係では,関節鏡下股関節唇縫合術と寛骨臼骨折観血的手術に対し難度に応じた高い点数が新設されました.回復期リハビリテーション病棟入院料には,入棟時に比べた退棟時の改善度と入院期間の短縮化によるアウトカム評価が新規導入されています.施設と対象疾患が限定されていますが,ロボットスーツによる歩行運動処置が算定できるようになりました.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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