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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻4号

2016年04月発行

文献概要

誌上シンポジウム THA後感染の予防・診断・治療の最前線

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著者: 稲葉裕1

所属機関: 1横浜市立大学医学部整形外科

ページ範囲:P.312 - P.312

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 人工関節置換術は変形性関節症や関節リウマチなどの関節障害に対する確立された術式であり,その件数は年々,増加しているが,重要な合併症として術後感染がある.わが国では近年,人工股関節全置換術の件数は年間6万件に達し,人工骨頭置換術を含めると年間12万件となっている.この手術件数は今後も増加の一途をたどり,それに伴い人工関節周囲感染も増加することが予測される.人工関節周囲感染は治療に難渋する症例が多いため,医師・患者ともに負担が大きく,医療経済面から考えてもその予防と確実な診断に基づく適切な治療が必要である.また,近年の研究では人工関節周囲感染患者は生存率が低いことも報告され,その予防・診断・治療の向上が望まれる.

 そこで今回の誌上シンポジウムでは,人工股関節置換術に絞り,術後感染の予防・診断・治療の最前線について取り上げた.内容では,疫学・危険因子,予防法,診断法,手術療法,抗菌薬の使用法について,それぞれの分野の第一線で活躍されている先生方に最新の知見について執筆をお願いした.まず疫学では,わが国における人工関節周囲感染の発生率や最近の動向とともに,現在,明らかとなっている危険因子について記載をお願いした.予防では,わが国と諸外国のガイドラインからの最新情報,現在までのエビデンスに基づく予防法,そして今後の方向性について論述していただき,診断では,Musculoskeletal Infection Society(MSIS)やCDC/NHSNから提唱されている診断基準とともに,今後期待される新しい診断方法についての記載がなされた.治療法では,インプラントの温存手術,一期的および二期的再置換術の適応・成績とともに,抗菌薬の使用方法の実際について詳しく解説されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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