icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻4号

2016年04月発行

文献概要

症例報告

Sugar tongs型ギプスシーネ固定部内に生じたA群β溶連菌による壊死性筋膜炎の1例

著者: 遠藤康広1 高橋正明1 宇田川和彦1 鬼沢正道1

所属機関: 1国立病院機構東京医療センター整形外科

ページ範囲:P.383 - P.386

文献購入ページに移動
 症例は,健常な57歳男性の左橈骨遠位端骨折であった.Sugar tongs型のギプスシーネ固定7日目後から左肘部に疼痛を自覚し,その4日後には疼痛がさらに増強したため救急外来を受診した.ギプスシーネで固定されていた左肘部外側には腐敗臭を伴う皮膚障害を認めた.Vital sign,血液生化学およびCT検査から壊死性筋膜炎を疑い即日緊急手術を施行した.手術部位(フィンガーテスト陽性)で採取した浸出液からはA群β溶連菌が検出された.切除した壊死部は開放創として,5週間後に遊離植皮術を施行した.入院から8週間後,機能障害もなく植皮部は生着し退院となった.

参考文献

1)磯崎泰介.全身性炎症反応症候群(SIRS),臨牀透析2008;24:999-1001.
2)石川耕資,南本俊之,一村公人・他.壊死性筋膜炎と重症蜂窩織炎の鑑別診断におけるLRINEC scoreの有用性の検討.創傷2014;5:22-6.
3)McHenry CR, Piotrowski JJ, Petrinic D, et al. Determinants of mortality for necrotizing soft-tissue infections. Ann Surg 1995;221:558-63.
4)Elliott DC, Kufera JA, Myers RA. Necrotizing soft-tissue infections. Risk factors for mortality and strategies for management. Am Surg 1996;224:672-83.
5)Stevens DL, Bisno AL, Chambers HF, et al. Practice guidelines for the diagnosis and management of skin and soft-tissue infections. Clin Infect Dis 2005;41:1373-406.
6)Wilson B. Necrotizing fasciitis. Am J Surg 1952;18:416-31.
7)大原国明.壊死性筋膜炎.皮膚科の臨床1992;34:1243-8.
8)高橋毅法,村山直子,藤井 薫・他.壊死性筋膜炎の1例.皮膚科の臨床2000;42:1093-7.
9)佐々木薫,出光俊郎,中井秀一・他.自治医大さいたま医療センター皮膚科における壊死性皮膚軟部組織感染症18例の検討.Skin Surgery 2008;17:74-9.
10)Tang WM, Ho PL, Fung KK, et al. Necrotizing fasciitis of a limb. J Bone Joint Surg Br 2001;83:709-14.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら