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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻4号

2016年04月発行

文献概要

症例報告

大腿骨転子部骨折に対する髄内釘固定後にlag screw内側移動を生じた1例

著者: 高須厚1 河野正明1 森実圭1 芝成二郎1 河野康平1 沖貞明2

所属機関: 1興生総合病院整形外科 2広島県立大学保健福祉学部

ページ範囲:P.387 - P.390

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 大腿骨転子部骨折の髄内釘固定後にlag screwが内側へ移動し,骨頭を穿破した稀な症例を経験した.77歳男性の左大腿骨転子部骨折(AO分類 31-A2.1)に対しIPT nailを用いて骨接合術を行った.術後3週で骨折部に破綻ないままlag screwの内側移動・骨頭の穿破を認めた.INTER-TANを用いて髄内釘入替えを行い,術後12週で骨癒合を認めた.遠位横止めスクリューを支点にネイルが動くtoggle actionによる合併症と推測され,大転子粉砕を認める症例では内固定の選択に注意が必要と考えた.

参考文献

1)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会 大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン策定委員会:大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン第2版.南江堂,東京,2011:p.146-8.
2)小松 孝,糸川高史,入江 努・他:大腿骨転子部骨折の再手術例についての検討.整外と災外2014;63(4):790-801.
3)藤井淳一,廣岡孝彦,小瀬靖良・他:大腿骨転子部骨折に対するIPT nailの治療経験.骨折2011;33:443-7.
4)志田義輝,荻原博嗣,花田麻須大・他:大腿骨転子部骨折のγネイル術後にラグスクリューの内側移動を生じた1例.骨折2011;33:439-42.
5)鈴木毅彦,川島雄二,長谷川敬和・他:Proximal femoral nail術後に1ag screwがmigrationにより骨頭穿孔をきたした1例.神奈川整・災誌2007;20(4):113-5.
6)Weil YA, Michael JG, Gerge M, et al:Medial migration of intramedullary hip fixation devices:a biomechanical analysis. Arch Orthop Trauma Surg 2008;28:227-34.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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