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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻4号

2016年04月発行

文献概要

症例報告

術後早期に脛骨コンポーネントとポリエチレンインサートの破損を生じたFNK人工膝関節の1例

著者: 金子卓男1 大谷崇裕1 望月雄大1 羽田勝1 松本太輔1 豊田真也1 池上博泰1 武者芳朗1

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科学講座(大橋)

ページ範囲:P.391 - P.395

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 FNK(帝人,ナカシマメディカル)人工膝関節全置換術(TKA)から術後6年で,Ti-6Al-4V合金製脛骨コンポーネントと超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)インサートの破損により,再置換術を施行した1例を経験したので報告する.症例は56歳女性,両膝OAで一期的に両膝TKA施行した.術後6年で右膝内側脛骨コンポーネントとポリエチレンインサートの同部位に破損を認めた.FNK人工膝関節は骨温存する目的で極力コンポーネントの厚みが薄くなっていることや,ポリエチレンインサートはCross-link未処理の超高分子量ポリエチレンであることが特徴である.術直後の両膝TKAはアライメント不良,肥満もなく,患者の活動性も低い.またポリエチレン摩耗粉による異物反応による骨溶解もなく.コンポーネントとポリエチレンの機械的強度の不足が示唆された.

参考文献

1)Conway WF, Gilula LA, Serot DI. Breakage of the patellar component of a kinematic total knee arthroplasty. A case report. Orthopedics 1986;9:532-4.
2)McPherson EJ, Vince KG. Breakage of a Total Condylar III knee prosthesis. A case report. J Arthroplasty 1993;8(5):561-3.
3)Mendes DG, Brandon D, Galor L, et al. Breakage of the metal tray in total knee replacement. Orthopedics 1984;7(5):860-2.
4)Ryu J:Short-term clinical results for total knee arthroplasty using a new FNK type prosthesis. Nihon Univ J 1998;Med 40:257-66.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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