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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻5号

2016年05月発行

文献概要

誌上シンポジウム 整形外科と慢性腎不全

慢性腎不全患者の周術期マネジメント

著者: 安藤智洋1 佐藤公治1

所属機関: 1名古屋第二赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.405 - P.409

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 腎不全患者では,術前から高血圧,糖尿病,貧血などの合併症が多くみられる.周術期には,手術侵襲により腎機能の悪化,術前合併症の悪化や新たな合併症が発生しやすい.腎不全患者の周術期には腎機能悪化の防止と周術期合併症の発生防止に注意する必要がある.末期腎不全である血液透析患者では,透析期間が長期になるほど,術前合併症はより多く,より重症化しており,術後合併症の発生率は高い.透析の有無にかかわらず,腎不全患者を整形外科だけで治療することは困難であり,周術期には内科,麻酔科と連携して,慎重に周術期管理を行うことが重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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