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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻5号

2016年05月発行

文献概要

誌上シンポジウム 整形外科と慢性腎不全

透析患者における肩障害

著者: 橋詰博行1

所属機関: 1笠岡第一病院笠岡手外科・上肢外科センター

ページ範囲:P.431 - P.435

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 10年を超える長期維持透析患者での特徴的な症状である仰臥位肩痛(SPSP)は,肩峰下滑液包と腱板へのアミロイド沈着による肩峰下腔の内圧増加が主因により生じ,透析肩峰下腔病変と呼ばれる.肩峰下腔の減圧を目的とした低侵襲の内視鏡下烏口肩峰靱帯切離術(ECLR)によりSPSPは消失する.平均17年間透析を受けている208例252肩に対してECLRを局所麻酔下に行った.平均予後調査期間は6年5カ月であった.SPSPは術直後に234肩(93%)で消失した.ECLR無効例は18肩(7%)であった.日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準で術前平均61点から術後91点に改善した.再発率は9%(22肩)であり,いずれも再度のECLRを要した.3回施行3肩,4回施行2肩であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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