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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻5号

2016年05月発行

文献概要

Lecture

骨転移診療におけるキャンサーボードの役割

著者: 篠田裕介1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.443 - P.450

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骨転移診療の必要性と問題点

1.骨転移診療の必要性

 がん罹患患者数は年々増加しており,2000年には53万2,000人であったが,2015年には98万2,000人に達すると予測され1),国民の2人に1人が一生の間にがんに罹患する時代に突入した.さらに,診療技術の向上によりがんの治療成績・予後が大きく改善しており,1993年からと2003年からの各5年間にがんと診断された患者の5年相対生存率は,男性で10%,女性で8%向上している(表1).そのため,転移を有する担がん患者が激増している.

 以前は,骨転移患者の予後が悪かったため,骨転移の存在は「末期」を意味していた.また,骨転移そのものは生命に影響を及ぼさず,有効な治療法が限られていたため,骨転移は治療対象とならなかった.しかし,生存期間が延長するにつれ,疼痛や骨折・麻痺を予防し適切に診療することが,患者のADL維持,QOL改善のためにますます重要になってきた.

参考文献

1) がん情報サービス.国立がん研究センターホームページ(ganjoho.jp)
2) 細井孝之,松島 常(編) :前立腺癌と男性骨粗鬆症—最新骨管理マニュアル.改訂第2版.東京,医学図書出版,2015.
3) William GW, Stephanie H, Frederick J, et al. Metastatic disease of the femur:surgical treatment. Clin Orthop Releat Res 2003;415S:S230-44.
4) Bickels J, Dadia S, Lidar Z. Surgical management of metastatic bone disease. J Bone Joint Surg Am 2009;91:1503-16.
5) Loblaw DA, Perry J, Chambers A, et al. Systematic review of the diagnosis and management of malignant extradural spinal cord compression:the Cancer Care Ontario Practice Guidelines Initiative's Neuro-Oncology Disease Site Group. J Clin Oncol 2005;23:2028-37.
6) 厚生労働省.終末期医療に関する調査等検討会報告書.平成16年7月.
7) 厚生労働省.平成21年人口動態統計.
8) 篠田裕介:転移性脊椎腫瘍のリハビリテーション.関節外科2016;35:424-33.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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