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骨転移診療におけるキャンサーボードの役割
著者: 篠田裕介1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.443 - P.450
文献購入ページに移動1.骨転移診療の必要性
がん罹患患者数は年々増加しており,2000年には53万2,000人であったが,2015年には98万2,000人に達すると予測され1),国民の2人に1人が一生の間にがんに罹患する時代に突入した.さらに,診療技術の向上によりがんの治療成績・予後が大きく改善しており,1993年からと2003年からの各5年間にがんと診断された患者の5年相対生存率は,男性で10%,女性で8%向上している(表1).そのため,転移を有する担がん患者が激増している.
以前は,骨転移患者の予後が悪かったため,骨転移の存在は「末期」を意味していた.また,骨転移そのものは生命に影響を及ぼさず,有効な治療法が限られていたため,骨転移は治療対象とならなかった.しかし,生存期間が延長するにつれ,疼痛や骨折・麻痺を予防し適切に診療することが,患者のADL維持,QOL改善のためにますます重要になってきた.
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