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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻6号

2016年06月発行

文献概要

連載 東アフリカ見聞録・6

医療人類学(Medical Anthropology)

著者: 馬場久敏12

所属機関: 1福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域 2

ページ範囲:P.532 - P.534

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 わが家の30坪ほどの小さなポタジェ(potager)には,ツツジのほかに紫陽花や水仙なども植えてある.人の一生は「動物,植物,鉱物」とも言う.子供はカブトムシやフナなどに夢中で,壮年期には花など植物に興味が移っていくことをいうらしい.6月になると陽春の陽射しを受け,紫陽花は大きく葉を広げて薄青い花(正確には萼)をつけ,やがて葉緑素が分解し鮮紅色に色づいていく.今年はオランダ産のムスカデットやファンアイク,ワシントンなど,200数十本のチューリップが初めて紅・黄・紫の花列をみせてくれた.オランダのようなチューリップ畑を,ミニサイズでよいので作りたかったのである.

 “年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず”.自然の移ろいとは世の東西を問わず,人の一生より遥かに永い年月を同じような景色で繰り返すものなんだな,などとあらためて想ったりする.美しい生態環境は人びとの精神の自然のヒーラー(healer)であろう.先頃,CNN Newsで,ハーバード大学公衆衛生学グループが,緑に囲まれて生活する女性は腎・呼吸器疾患,がんによる死亡率が12%低下すると報告した,と伝えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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