icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科51巻7号

2016年07月発行

文献概要

誌上シンポジウム 脊椎腫瘍 最近の話題

転移性脊椎腫瘍の診断と治療戦略—骨転移Cancer Boardの活用

著者: 角谷賢一朗1 酒井良忠2 由留部崇1 前野耕一郎1 原仁美1 河本旭哉1 岡田卓也3 杉本幸司3 江島泰生4 佐々木良平4 秋末敏宏5 黒坂昌弘1 西田康太郎1

所属機関: 1神戸大学大学院整形外科 2神戸大学大学院医学研究科リハビリテーション機能回復学 3神戸大学大学院放射線科血管内治療センター 4神戸大学医学部附属病院放射線腫瘍科 5神戸大学大学院保健学科リハビリテーション科学領域

ページ範囲:P.601 - P.605

文献購入ページに移動
 骨転移は,がん患者のがん集学的治療の最終目標であるQOLを大きく障害する.とりわけ脊椎転移は麻痺症状を来すため,脊椎転移の制御はQOLの維持には重要である.骨転移の早期発見,早期治療を目標とした集学的診療を実践するために,全国で骨転移に特化したcancer board(CB)が各施設で開設されている.当施設でも2013年から開設し,現在353名が登録されている.本稿では,当施設での骨転移CBを紹介するとともに,脊椎転移の診断,集学的治療の迅速化など骨転移CBが脊椎転移診療に与えた効果を中心に述べる.

参考文献

1) Uchida A, Wakabayashi H, Okuyama N, et al. Metastatic bone disease:pathogenesis and new strategies for treatment. J Orthop Sci 2004;9:415-20.
2) 眞鍋 淳.がん骨転移に対する集学的治療—骨転移Cancer BoardとBone Management.癌の臨床2012;58(1):43-60.
3) 眞鍋 淳.骨転移難民を防ぐために:骨転移cancer boardと早期診断,早期治療の意義.整・災外2012;55:1119-23.
4) 高木辰哉.骨関連事象カンファレンス.大森まい子・他(編).骨転移の診療とリハビリテーション.東京,医歯薬出版,2014,pp186-9.
5) 篠田裕介,澤田良子,金井良晃・他.骨転移キャンサーボードの介入により骨転移患者のQOLが改善する.日癌治療会誌2014;49:886.
6) 城戸 顕.骨転移のがんのリハビリテーション.臨床リハ2015;24:36-44.
7) 酒井良忠,角谷賢一朗,原 仁美・他.骨転移治療の院内連携 骨転移キャンサーボード(bone metastasis board:BMB)による転移性骨腫瘍のマネジメント.日整会誌2015;89:S1293.
8) 酒井良忠,角谷賢一朗,原 仁美・他.骨関連事象に対する集学的治療法.臨床リハ2016;25:131-9.
9) 中西一夫,長谷川徹,射場英明・他.転移性脊椎腫瘍に対するMIStを用いたリエゾン治療.日整会誌2015;89:S667.
10) 中田英二,杉原進介,尾崎敏文・他.骨転移に対する院内治療体制の構築.日整会誌2014;88:S1212.
11) Oken MM, Creech RH, Tormey DC, et al. Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group. Am J Clin Oncol 1982;5:649-55.
12) Mahoney FI, Barthel DW. Functional evaluation:The Barthel Index. Md State Med J 1965;14:61-5.
13) Tsuchiya K, Ikeda S, Ikegami N, et al. Estimating an EQ-5D population value set:the case of Japan. Health Econ 2002;11:341-53.
14) Fisher CG, Di Paola CP, Ryken TC, et al. A novel classification system for spinal instability in neoplastic disease:an evidence-based approach and expert consensus from the Spine Oncology Study Group. Spine 2010;35:E1221-9.
15) Patchell RA, Tibbs PA, Regine WF, et al. Direct decompressive surgical resection in the treatment of spinal cord compression caused by metastatic cancer:a randomised trial. Lancet 2005;366:643-8.
16) Klimo P Jr, Schimidt MH. Surgical management of spinal metastasis. Oncologist 2004;9:188-96.
17) 今城靖明,田口敏彦,米 和德・他.日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄手術調査報告2013.J Spine Res 2013;4:1367-79.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら