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整形外科/知ってるつもり
座標系なんて考えないといけないの?
著者: 楫野良知1 加畑多文1 前田亨1 井上大輔1 山本崇史1 高木知治1 大森隆昭1 土屋弘行1
所属機関: 1金沢大学大学院機能再建学(整形外科)
ページ範囲:P.730 - P.734
文献購入ページに移動座標系(coordinate system)という言葉をみただけで,このページを読み飛ばされる先生もいることだと思う.自分自身も数年前まで座標系のことなど全く考えていなかったし,失礼ながら数式が書かれたような論文は興味もなく読み飛ばしていた.ただし整形外科では,関節可動域,Cobb角,Q angleや脚長差などさまざまな指標を計測して手術適応を決めたり,臨床評価をしたりしているが,いずれも無意識に空間上あるいはX線上に座標系を考え,2つの線がなす角度や距離を計測していることに他ならない(図1).今回,「人工関節における座標系」をテーマにこの原稿を書く機会を得たので,幾何学の素養はない素人ではあるが,人工股関節全置換術(以下,THA)を例にとって座標系というものについて考えてみたい.
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