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老年医学で思うこと
著者: 大鳥精司1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
ページ範囲:P.929 - P.929
文献購入ページに移動整形外科において,骨・軟骨研究は以前から行われていたが,高齢者の筋に関した研究はあまり進んでこなかった.従来から,骨粗鬆症,筋減少は一見独立した疾患と考えられてきたが,最近になり,さまざまな疫学研究から両者の相似が報告されてきた.フィンランドの報告によると,筋減少を伴う女性はそうではない女性と比べて骨粗鬆症が13倍高く,握力(筋力)の低下群では骨粗鬆症が12倍多いとされた.また筋減少を伴う女性は,そうでない女性と比べて骨折が3倍多く,転倒が2倍多いとされる.この理由として,骨粗鬆症に関連するビタミンD受容体は筋にも存在し,欠乏するとtype II筋線維の萎縮をもたらし,ビタミンDの低下は,直接的に筋量低下をもたらすと報告された.
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