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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻10号

2017年10月発行

文献概要

論述

骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存療法の予後不良因子の検討

著者: 大塚和史1 佐藤充彦1 武井大輔1 柴代紗衣2 野尻正憲1

所属機関: 1林病院整形外科 2水野記念病院小児整形外科

ページ範囲:P.931 - P.938

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背景:骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture:OVF)の保存療法では,偽関節と圧潰変形が問題となる.成績向上のために発生要因を検証する必要がある.

対象と方法:OVFに対し,MRIで早期診断を行い保存療法を行った261例330椎の治療成績を後ろ向きに評価し,予後不良因子を検討した.

結果:偽関節は認めなかったが,転倒・転落,T2低輝度広範型,前壁損傷,後壁損傷,胸腰椎移行部骨折は,圧潰進行の危険因子であった.

まとめ:早期診断・早期治療開始で偽関節は防げても圧潰が進む不安定型骨折があり,より適切な治療法の確立が望まれる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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