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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻10号

2017年10月発行

文献概要

調査報告

「ロコモティブシンドローム」の人は膝の伸展力が弱い

著者: 藤田聡志1 清水要吉1 林一宣1 上本宗唯1 川田英樹1 田邊恒成1 上石聡1 谷島浩1 黒田正誼1

所属機関: 1佐野臨床整形外科医会

ページ範囲:P.951 - P.954

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背景:近年,手軽に膝伸展筋力を測定できるようになり,ロコモティブシンドローム(ロコモ)の人は,筋力が弱いのかどうかを調査し,今後の介護予防,対策に役立てたい.

対象・方法:一般市民80名(男性7名,女性73名),平均72.1±6.0歳(58〜86歳)を対象に運動器検診を行った.「ロコモ度テスト」(立ち上がりテスト)で,ロコモティブシンドローム(ロコモ)群と正常群に分け,その2群間でbody mass index(BMI),握力,膝伸展筋力,踵骨骨密度を比較検討した.

結果:ロコモ群31名(38.8%),正常群49名(61.2%)であった.ロコモ群では年齢,BMIが高く,握力,膝伸展筋力が低かった.多変量解析では,年齢(p=0.01,オッズ比:1.14)と膝伸展筋力(p=0.01,オッズ比:0.01)が独立因子であった.

まとめ:ロコモと診断された人は,年齢が高く,年齢とは関係なく膝伸展筋力が低かった.

参考文献

1) 藤田聡志,林 一宣,清水要吉・他.「骨と関節の日」における中高齢者の運動器検診報告.栃整会誌2015;29:10-3.
2) 中村耕三.ロコモティブシンドローム(運動器症候群) 超高齢社会における健康寿命と運動器.日整会誌2009;83:1-2.
3) 大江隆史.ロコモティブシンドローム—提唱から5年間の経緯と現状.日医雑誌2013;142:1996-7.
4) 蒲原真澄,塩満智子,長谷川珠代・他.中高年者の体力・体格とロコモティブシンドロームとの関係.南九州看護研究誌2012;10:29-36.
5) 村本明生,今釜史郎,石黒直樹・他.中高齢者のロコモーティブシンドロームの関連因子の検討.中部整災誌2012;55:297-8.
6) Sasaki E, Umeda Ishibashi Y, Tsuda E, et al. Evaluation of locomotive disability using loco-check:a cross-sectional study in the Japanese general population. J Orthop Sci 2013;18:121-9.
7) Hirano K, Imagama S, Hasegawa Y, et al. Impact of back muscle strength and aging on locomotive syndrome in community living Japanese women. Nagoya J Med Sci 2013;75:47-55.
8) 吉田 純,吉田昌平,相馬寛人・他.変形性膝関節症患者における下肢骨格筋量に対する膝伸展筋力の特徴,日本関節病学会誌2014;33:1-5.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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