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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻10号

2017年10月発行

文献概要

臨床経験

脊椎手術後の深部静脈血栓症(DVT)スクリーニング検査としての可溶性フィブリン(SF)値測定の前向き研究

著者: 原耕三1 秋山典宏1 増田尚也1 高橋忍1

所属機関: 1日野記念病院滋賀脊椎センター

ページ範囲:P.981 - P.985

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目的:可溶性フィブリン(SF)値が脊椎手術施行後の深部静脈血栓症(DVT)スクリーニング検査として有用なのかを検討した.

方法と対象:前向き研究により脊椎手術121例を対象に,術後1日目・4日目にSF値測定,術後3〜5日目に下肢静脈エコーを行った.

結果:SF値は術後1日目と比較して,術後4日目で平均値は低下したが,上昇する症例のほうが多かった.SF値の推移は,出血量や手術侵襲の影響を受けていた.2例に下肢エコーでDVTを認めたが,それを推定するSF値の特徴は認めなかった.

まとめ:SF値は出血量,手術侵襲の影響を大きく受けることがわかった.DVTスクリーニング検査として,今回の測定方法では有用とは言えなかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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