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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻10号

2017年10月発行

文献概要

症例報告

片側下肢の筋力低下を呈し整形外科を受診した脳腫瘍の2例

著者: 上田康博1 三崎智範1 林雅之1 松本直幸1 大橋義徳1 瀬良愛1 東馬康郎2

所属機関: 1福井県立病院整形外科 2福井県立病院脳神経外科

ページ範囲:P.1003 - P.1006

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 片側下肢の弛緩性筋力低下を呈し腰椎疾患を疑われて整形外科を受診したが,脳腫瘍が原因であった2例を経験したので報告する.症例は53歳女性および79歳男性で,主訴はともに片側下肢の脱力としびれであった.いずれの症例も頚椎から腰椎のMRIで異常所見はなく,頭部MRIで大脳鎌部に脳腫瘍を認めた.腫瘍摘出術が行われ,前者は髄膜腫,後者は異型性髄膜腫と病理診断された.頭蓋内病変により片側下肢の筋力低下を呈する病態を認識し,整形外科疾患として診断に至らない場合には頭蓋内病変を検索すべきである.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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