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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻10号

2017年10月発行

文献概要

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書評 脊椎内視鏡下手術[Web動画付] フリーアクセス

著者: 松本守雄1

所属機関: 1慶大・整形外科学

ページ範囲:P.1015 - P.1015

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 脊椎手術の多くは体の深部で行われるため,明瞭な術野を確保できるかが成功の鍵となる.大きな切開・展開をすれば視野はよくなるが患者への侵襲は増え,術後創部痛,脊椎不安定性の増悪,社会復帰の遅れなどの問題を生じる.いかに脊椎周辺組織を温存して低侵襲に手術を行い,これらの問題を解決するかが重要である.椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患に対する低侵襲除圧手術としては長らく顕微鏡下手術がgold standardとされてきた.1990年代に本邦に内視鏡下手術が本格的に導入され,パイオニアの先生方の多大なるご努力があり,現在ではその手術数が全国で年間1万件を超える標準的な低侵襲脊椎手術になりつつある.本書の編者の𠮷田宗人先生(和歌山県立医大名誉教授)はそのようなパイオニアのお一人である.


 新しい手術手技の導入初期にはさまざまな技術的困難,手術機器,周辺機器の不備などの問題が存在するが,𠮷田先生はそれらの問題を1つひとつ解決され,脊椎内視鏡下手術を有効で安全なスタンダード手技として確立してこられた.本書には𠮷田先生とその門下の先生方が20年をかけて築いてこられた脊椎内視鏡下手術のポイントやコツが美しいシェーマとともに贅沢に詰め込まれている.内視鏡下手術に必要な解剖,手術機器のセットアップ法と取り扱い法などの基本から始まり,疾患ごとの応用手技(これも頚椎から腰仙椎,あるいは脊柱管内から外まで対象疾患が非常に多い!),さらには合併症対策と全てが網羅されている.読んでいてここをもっと具体的に知りたいと思ったところは,実際の手術動画で確認できるようになっており,心憎いまでの配慮がなされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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