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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻3号

2017年03月発行

文献概要

誌上シンポジウム 股関節疾患の保存的治療とリハビリテーション

下肢押し出し訓練を応用したTHA後早期のリハビリテーション

著者: 川口泰彦1 大谷卓也1 藤井英紀2 羽山哲生2 村上宏史2 阿部敏臣2 高橋基2 丸毛啓史2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属第三病院整形外科 2東京慈恵会医科大学整形外科学講座

ページ範囲:P.239 - P.244

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 人工股関節置換術(THA)後早期のいくつかの機能障害や愁訴に対するリハビリテーションの要点を述べた.術前に下肢長差,筋力低下,関節拘縮による跛行が著明な例では,閉鎖運動連鎖(CKC)理論と骨盤運動に着目した下肢押し出し訓練を利用して歩容改善を目指している.術後早期の外転拘縮と自覚的下肢延長を訴える症例は多く,押し出しとは逆方向の骨盤回旋運動と腸脛索(ITT)のストレッチが有効である.実際の下肢長差がある場合は,十分な筋力とバランスの訓練を実施後,腰椎,骨盤,下肢全長のX線像から補高を検討する.可動域とADLの回復には,早期から複合的な運動評価と訓練が重要である.

参考文献

1) 廣橋賢次,大橋弘嗣,大久保衛・他.変形性股関節症に対する運動療法の意義.関節外科2007;26:45-54.
2) 大橋弘嗣,松浦正典,廣橋賢次.変形性股関節症に対する積極的保存療法.MB Med Reha 2007;80:1-9.
3) 大谷卓也,初海 宏,村松正文・他.股関節外転筋不全に対する下肢軸方向への閉鎖運動連鎖訓練の試み.整形外科2000;51:100-3.
4) 大谷卓也,藤井克之.股関節に対する下肢押し出し訓練の理論・基礎・臨床.Hip Joint 2003;29:655-9.
5) 奥村晃司,加藤 浩,木藤伸宏・他.変形性股関節症の保存療法としての運動療法.MB Med Reha 2007;80:15-24.
6) 木下一雄,田中真希,桂田功一・他.THA後の端座位靴下着脱動作に関与する股関節可動域の検討.Hip joint 2012;38 suppl:193-5.
7) 木下一雄,吉田啓晃,青砥桃子・他.人工股関節全置換術後2週で靴下着脱が可能となるには術前の股関節の複合的な可動性が重要である.Hip joint 2017;43 suppl(in Print).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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