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あとがき
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著者:
松本守雄
所属機関:
ページ範囲:P.314 - P.314
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2017年がスタートいたしました.今年は世界的に激動の年になりそうです.米国ではトランプ政権が発足し,オバマ政権の政策(TPP,環境保護,オバマケアなど)を否定し廃止しようとしております.そして米国第一を掲げた保護主義を推進しようとしています.英国でもメイ首相がEUからの完全な強硬離脱(ハードブレグジット)を表明しました.韓国,フランス,ドイツでも大統領,首相の選挙が予定されており,保護主義的な動きが強まる恐れがあるとされています.このように世界の情勢は混沌としております.一方,米国の経営学者のジム・コリンズは著書『ビジョナリー・カンパニー』の中で,長年にわたって発展を遂げている超一流企業の重要な要素として,外部要因が大きく変化しようとも基本理念を見失わないことを挙げています.医療・医学を取り巻く環境も,近年大きく変わってきておりますが,われわれ整形外科医は「運動器疾患患者のQOL改善に貢献する」という基本的な理念・使命を見失わないようにする必要があります.
さて,本号では誌上シンポジウムとして,大谷卓也先生のご企画による「股関節疾患の保存的治療とリハビリテーション」が取り上げられました.最近,股関節領域では人工関節や内視鏡下手術などが大変注目されておりますが,一方で,保存的治療やリハビリテーションは非常に重要な基本的治療であることは論を俟ちません.各シンポジストが股関節疾患に対するさまざまな保存的治療の実際と有効性・問題点をご提示していただいており,大変有用なシンポジウムになったと思います.